【識者インタビュー】パチスロ新台市場の縮小続く、来年も停滞気味

投稿日:2020年12月1日 更新日:

コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。パチスロ市場動向の現状や今後の見通しについて、アールイーサーチ㈱の長谷川豊代表取締役に聞いた。

──今年、パチスロ新台はどの程度、販売されたのでしょうか?
弊社調べでは45万台程度の予測です。昨年が57.5万台でしたので、10万台以上の減少になるでしょう。本来、今年は旧規則機から新規則機への入替のピークを迎える予定でしたので、各メーカーは昨年以上に新台が売れるという見込みがあり、それに基づいて販売を計画していました。しかしコロナ禍や旧規則機の期限延長で、新台販売は事前の予測とは異なり、低調に推移する結果となっています。

──年末年始は、11月の『凱旋』に加えて、『沖ドキ!』『花火』といった旧規則機の撤去が控えています。
ホールはコロナ禍の影響でキャッシュの重要性をより理解したという印象があります。新台購入は、さらに慎重になるでしょう。撤去の穴埋めは新台に限らず、中古機も候補になりますが現在、中古機ですら供給量が足りていません。ベニヤ対応やパチンコ島への切り替えなどが目立つでしょう。

──パチスロ機のスペック面では今年、どのような傾向が見られましたか。
高純増機があまり支持されなくなりました。損しないためにはゼロゲーム止めが正解となる仕様が多いためです。その一方、旧規則機が残っているため、6号機の新台には5号機との差別化が必要です。5号機では不可能な純増枚数や、5号機よりも遊びやすいイメージで打てる高ベースで、バランス性に優れたスペックが比較的、支持を集めました。『バジリスク絆2』の評価が高く、最近では『吉宗3』が健闘している点からもそのように考えられます。

──来年は新台需要が回復しますか?
旧規則機の撤去期限を迎えるため、新台の販売台数は今年を上回るでしょう。ただし、コロナ禍の影響が続く上、パチンコ新台のほうが集客効果が見込めること、パチスロ新台の実績が低いことなどを考慮すると、新台の販売台数は50~60万台程度にとどまるのではないでしょうか。

──毎月、5万台程度の需要ということですね。
そうですね。ただし実際の入替需要は、多くの旧規則機が撤去期限を迎える下半期に集中するでしょう。またジャグラーも、6号機版と5号機版では、ファンの支持は5号機版に軍配が上がります。6号機版の導入も、5号機版の撤去期限ギリギリに集中するでしょう。

──来年以降、注目するスペックはありますか?
やはり低ベース機ですね。保通協の試験方法が見直され、これまで不適合続きだった6・1号機の適合する可能性が高まったと聞いています。順当に行けば、3月くらいから低ベース(35~40ゲーム/50枚)を実現した新台が出てくるかもしれません。個人的には純増4~5枚で低ベース、ゼロゲーム止めなどを必要としないスペックバランス、かつ大型コンテンツの新台の登場に期待しています。

◆プロフィール
長谷川豊(はせがわ ゆたか)
アールイーサーチ㈱代表取締役。2017年3月に同社を設立。遊技業界内の情報収集および分析、遊技機の開発コンサルティングを中心に、遊技機業界に特化したマーケティング業務を行っている。

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