コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。パチンコ市場動向の現状や今後の見通しについて、パチンコビレッジの村岡裕之代表取締役に聞いた。
──今年、パチンコ新台はどの程度、販売されたのでしょうか?
弊社調べでは93~95万台と見込んでおります。新規則機への入替需要の増大から、昨年より販売台数が増えると予測していましたが、旧規則機の期限延長等で減ることとなりました。昨年の販売台数は約115万台で、ここ10年、新台販売は毎年平均15%ずつ減少しています。
──新台の需要減が続きますね。
弊社は新台の販売台数を調べ始めて20数年経ちますが、パチンコの新台販売が100万台を割り込むのは、初めてのこととなります。また調査開始以前の時代について日工組の証紙発給枚数で、おおよその新台販売台数を把握していますが、100万台を割り込む時代というのは、今から半世紀ほど前の昭和40年代にまで遡らなければなりません。コロナの影響があったとはいえ今年、いかに新台が売れなかったか、お分かり頂けるのではないでしょうか。
──新台市場が不振を極めたなか、敢えて明るい話題を挙げるとすれば何でしょうか? 『P大工の源さん 超韋駄天』のヒットに尽きます。出玉スピードの速さ、一撃性の高さがヒット要因ですが、特に短時間で楽しめる点は、今の時代に合っています。先ほど話した通り、年間の新台販売は低水準となりますが、それでも11月は8.5万台、12月は15万台の新台が導入される予定です。つまり機械さえ良ければ、今後も新台市場は動くということが言えるため、同機のスペックがファンに受け入れられたことは、明るいトピックとして捉えて良いと思います。
──トレンドは、短時間遊技に沿ったスペックということですか?
そうですね。コロナ禍もあり、パチンコは長時間、遊ぶ時代ではなくなりました。そのためゲーム展開がスピーディな1種2種タイプが今後、より増えていくでしょう。また1種2種タイプは遊タイムとも相性が良いです。何故なら、遊タイム発動=ほぼ確実に当たるという仕様が可能で、ファンに安心感を与えることができるからです。この点も1種2種タイプのシェアが高まる理由の一つになります。
──来年以降の新台需要について、どう見込んでいますか?
低水準が続くでしょう。コロナ禍により、今年は特に新台の販売台数が落ち込みました。反対に来年は、新規則機への入替需要が高まるため、今年より多く新台が売れるでしょう。弊社予測では150万台くらいかなと見通しています。しかしホールの純粋な新台需要は、コロナの影響もあって今より少し下がり、2年後くらいに底を打てばいいかな程度に捉えています。パチンコ新台市場は、年間100~120万台あたりが妥当という時代が続くのではないでしょうか。
村岡裕之(むらおか ひろゆき)
㈱パチンコビレッジ代表取締役。メーカー、ホール、部品業者等、あらゆる独自ネットワークを持ち、遊技機の適合情報や納品日の情報をいち早く掲載するサイト「パチンコ業界情報館」「パチンコ業界情報館」は業界人必見。