【コラム】営業再開に向けて改めて知りたい消毒知識〜fromユキペディア

投稿日:2020年5月19日 更新日:

本誌「間違いだらけの女性活用」連載中、永澤氏の新連載「永澤有希のユキペディア」がwebでスタート!組織人事コンサルタントとして「人がすぐ辞める企業を、優秀で強い組織に激変」させるなど多数の実績を持ち、予防医学指導士・メイクアーティストなどの資格も保持し「ホールスタッフを輝かせる事が私の使命」と語る永澤氏が縦横無尽に斬り込みます。

こんにちは、ミチスケジャパン永澤有希です。新連載にあたり担当Y氏から「ユキペディア」というタイトルを頂きネーミングセンスに感動しております。今回は予防医学指導士の立場からお話し致します。

人事コンサルの私がなぜ予防医学指導士の資格を取ったかと言いますと、パチンコ企業に在籍している時、休憩室でスタッフの不健康な食事(高カロリーな市販弁当&巨大ペットボトル甘味飲料がぶ飲み)を見てギョッとしたからです。ジャンクフードは楽しいものですが、偏った食習慣を続けると内臓も悪くなりますし、体・頭皮・口も臭くなりがちです。実際、20代女子で頭皮がモワッと臭う方も増えています。

私は「従業員の健康は会社の宝」と考え、また、右肩上がりで国の財政を圧迫する日本の医療費にも心を痛めておりましたので、心身の健康について、エビデンス=科学的根拠をもって伝えたいという思いから予防医学の勉強を致しました。医師などに混ざっての資格取得でしたので、試験前は半ノイローゼ(!)になるほど物凄く大変な勉強でした。

なぜ高濃度の無水エタノールより、濃度の低いエタノールが消毒に適しているの!?

さて本題ですが…緊急事態宣言も徐々に緩和され、営業を再開される店舗さんも増えてきました。衛生管理を徹底しての再開となりますが、私の知る限り、ほとんどのホールさんは10年以上前から手指消毒用のアルコールスプレーが設置してあり衛生面にはとても気を遣っていました。本当に、現場を知らないマスコミっていい加減な報道するなぁと憤っております。

職場のウイルス感染予防について、中村クリニックの中村豊氏(内科医/24時間テレビ森三中大島美幸さんマラソン時のスポーツドクター)に伺ったところ
「注意すべきは、接触感染」
とのことで、やはり、アルコール(エタノール)および次亜塩素酸水等による消毒が重要です。余談ですが、身近なもので消毒液が作れる裏ワザとして、ハイターなどの漂白剤を薄めて作る「次亜塩素酸ナトリウム水」も注目されていますが「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム水」は似て非なるもの。手指に触れても大丈夫なのは次亜塩素酸水であり、次亜塩素酸ナトリウム水は肌を痛めます(備品等の消毒には有効)。詳しくは下記のページをご参照ください。
【花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?】
https://www.kao.com/jp/soudan/topics/topics_107.html

ところで皆様、消毒用アルコール(消毒用エタノール)の濃度について疑問に思ったことはありませんか?

市販のエタノールは大きく分けて
・無水エタノール
・消毒用エタノール
の2種類があります。

無水エタノールは読んで字の如く無水で、エタノール濃度99.5%以上のもの。かたや消毒用エタノールは、濃度70%台が主流です。

雰囲気的に「濃度が高いほど消毒効果がすごいんじゃないか」って思いませんか?

しかし消毒には、99.5%以上の高濃度よりも70%台のほうが効果的といいます。私は衛生学の勉強をしているとき、「なんで高濃度の無水エタノールより、濃度の低いほうが消毒によいの!?」と、滅茶苦茶疑問でした。

ギンギンの高濃度じゃなくても大丈夫なワケは?

結論から先に言いますと、無水エタノールよりも70%台に薄めたエタノールのほうが「肌にとどまる時間が長いから」、です。

エタノールは、付着してから殺菌効果を発揮するまでに、少し時間が掛かります。

高純度の無水エタノールは揮発性が高いため瞬時に蒸発し、長くとどまる事ができません(ですから水を嫌う電子機器などの掃除に向いてます)。

しかし濃度70%台の消毒用エタノールには水分が20数%入っているので、すぐに蒸発せず、しっとりと濡れた状態が続きます。この「濡れている」最中に、エタノールがウイルスをやっつけてくれるのです。皆様もアルコールで両手をシュッシュしたら、じんわり濡れたお手々を眺め「いまエタノールが頑張ってくれている」と、たまには慈しんでみてくださいね。なぜアルコール(エタノール)でコロナウイルスが死ぬかというと、ウイルスを覆っている膜の主成分が「脂質」であり、エタノールには脂を溶かす作用があるからです。だからコロナウイルスの膜が破壊され、不活化(死滅)するのです。

消毒可能なアルコール濃度として「50%なら1分間でウイルス不活性化が可能」と報告されています(参考文献:医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルスSARS-CoV-2不活化効果について 北里大学大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室Ⅰ 片山和彦教授らの研究グループ)。

要するにギンギンの高濃度でなくても50%台であれば、1分ぐらいでコロナウイルスが撃退できるよ〜という事です。濃度が50%以下になると薄まりすぎて、消毒に適さなくなります。

市販の消毒用エタノールは70%台なので、15秒程度でウイルスが不活化します。お手元に無水エタノールがあれば、水で薄めて消毒用エタノールとして使うことができますね。ちなみにエタノールはアルコールと同義で、飲料用の高濃度アルコールでも消毒は可能です。消毒薬不足を受けて酒造メーカーさんから高濃度アルコールが発売されていますので、そちらを活用するのも良いですね。

アルコールと同じように脂質を破壊するものは、界面活性剤です。界面活性剤は台所用洗剤や石けんに含まれ、日常生活に馴染みがあるものです。だから「石けんによる手洗い」が感染予防に役立つのですね。

カルティエの財布がエタノールで溶けた!?

私は、新型コロナ騒動が起きるずっと前から「エタノール狂」で、自宅や職場のあちこちに、可愛いスプレーボトルに小分けしたエタノールを置いています。掃除にエタノールを使うと除菌消臭が一度にできて油汚れもキレイに落ちるので、楽しくて色んなものにシュッシュ&拭き拭きしています。知人宅のたこ焼きパーティーにもエタノールを持参し、使い終えたホットプレートや電源コード、テーブル周辺に飛び散った油汚れを拭き拭き。お客様のスリッパも拭き拭き。除菌効果の高いミント精油をプラスすれば下駄箱の嫌なニオイもあっという間に爽やか除菌。ミントやレモンなどの精油(アロマオイル)を用いた除菌スプレーの作り方は、また別途お伝えいたしますね。

そんなエタノール狂のわたくし。あるとき、誕生日に頂いたカルティエの長財布を「綺麗にしよう」と思い立ち、エタノールで拭き拭き致しました。淡いピンクの長財布はいろんな方に褒められるほど可愛く、私は「これで更にピッカピカ〜♪」とウキウキです。ところが…なぜか意に反し、拭けば拭くほど財布から輝きが失われ、みるみる曇っていくではありませんか!
「なにごと!?」
……なんと、財布をコーティングしていたピカピカのエナメルが、エタノールで溶けてしまったのです。

かようにエタノールは強力に作用する、と、身をもって学んだのでありました。カルティエのエナメルも溶けるのだから、そりゃコロナも溶けるわなぁと、一人感慨にふけっております(なむ〜)。

さて、私のもとには全国のホール女子から色々なお悩みが寄せられます。バストアップしたい!ですとか、人間関係とか、部下の妊娠や中絶問題…など様々ございます。今の時点で緊急性が高いと思われるのが
「上司から、『マスクして接客する時は滑舌良くしゃべれ!』と強要されて困っている」
という関東ホール女子のお声です。
マスクして滑舌良く…これは感染予防上、実は大問題なのです。
次回、詳しくお伝えします。

◆著者プロフィール
永澤有希(ながさわ ゆき)
㈱ミチスケジャパン 人材プロデューサー
コンサル企業、パチンコ企業を経て現職。経営者の気持ちもスタッフ心理も理解できる唯一のコンサルタント。厚労省推進PA選出など女性活用や人材育成に定評がある。業界特有のハラス問題も精通しハラスメント防止研修も多数担当。メイクアーティストや予防医学指導士の資格も持ち個々の才能を内外両面から引き出し組織作りを成功に導く。RMTIS接遇メイクエステ協会ラムティス代表理事、メイクスタジオ「ラフレイジュ」主宰。
Mail info@michisuke.com

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