アミュゼクスアライアンスは3月17日、東京都港区の三田NNホールで月例セミナーを開催し、同アライアンスの田守順代表、矢野経済研究所の高橋羊主任研究員、ピーエスプランニングの渥美公一代表が講演した。今回は新型コロナウイルスへの対応として、受講者には消毒とマスク着用を義務付け、30分に1度の換気を行いながら進行した。
田守代表は、業界情報として昨今の新型コロナウイルス問題に言及。政府の専門家会議で感染しやすい場所として指摘されている「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」の3つの条件について、パチンコホールには当てはまらないことなどを解説した。特にホールの換気環境は他の商業施設と比べて優れている点を強調し、「ある店では設計図面の換気の部分を拡大して店外に貼り出すことも検討している。密室ではないこと、安心して遊んでもらえる空間であることを顧客にアナウンスすることが重要」と述べた。
高橋氏は新店情報として、「2月の新店は全国で2店舗だった。一方、2月にM&Aをされたとみられる店舗は19店だった。2月〜3月は40店舗近くがM&Aで動いている」と、M&Aが活発になっていることを説明した。その上で、自店の近隣に売却予定の店舗が出た場合の留意点として、「高いから買わない、と簡単に買わない判断をする企業が多い。しかし、強い企業が進出してくれば、自店が営業する限り、影響が出てくる。長期的な視野で買う買わないを判断すべき」と提案した。
渥美代表は、2月17日からホールに導入されている『SLOTバジリスク〜甲賀忍法帖〜絆2』による影響を考察。導入週の4円パチンコと20円パチスロの週間の稼働データなどを比較し、「パチンコを打っていたパチスロユーザーが回帰しているような数値がみられる」などと分析した。また、5月の新機種の発売動向に触れ、パチンコについては「ライトミドルが中心になる。ゴールデンウイーク後を考えると、4月に導入したハイミドル機を補ってくれるようなライトミドルで回遊性を高めることが重要になる」などと指摘した。