今回はパチスロ6号機のAT機をタイプ別に分類し、6号機のトレンドを探りながら、機械選定の精度を上げるためのヒントを解説します。6号機の廃れていくタイプと主流になっていくタイプはなんなのでしょうか。
・6号機を分類する
6号機時代に本格的に突入し、旧規則機の入れ替えに伴い購入機械台数も増加しているのではないでしょうか。そこで6号機導入にあたってタイプ別に分類することで、今後少しでも高稼働機種を選択するための基準を持っておきましょう。
6号機は大まかにいうとAT、 ART機とノーマルAタイプに分かれますが、今回はAT機を分類してみます。 AT機は大きく4つの分類に分けることができます。6号機のAT機を選定する際に、この4分類のどれに該当するかを確認することで新台評価の精度が上がるはずです。
まず重要なのは6号機で短時間の実射試験によって、以下の規則の範囲に収めるため、400G:33.3%~220%未満(約1,240枚)となり、純増枚数に換算すると「3.1枚/G」未満になります。この規則を前提に以下の4つに分類されます。
①Re:ゼロタイプ
②高純増&減るゾーン
③高純増&上限
④純増3.1枚未満
①Re:ゼロタイプ
純増枚数は6枚以上の高純増で、なおかつ減るゾーンが無いストレートATタイプになります。『北斗の拳天昇』、『ルパン三世イタリアの夢』、『青鬼』といった機種群が該当します。
上述した規則の範囲の出玉試験に通るためには純増6枚なら200ゲームの無抽選区間、8枚なら240ゲームの無抽選区間が計算上必要となります。
Re:ゼロタイプに対するプレイヤーの不満は「決まったゲーム数でしか当たらない」「ハイエナ仕様になっている」などパチスロの本質とは関係ない出来レース感が周知されてしまい、今後は厳しい稼働になる事が予想されます。
②高純増&減るゾーン
純増枚数は5~8枚と高いがATのセット間に減算区間を設けて400Gで220%未満に収めているタイプです。
『サラリーマン金太郎』、『HEY!鏡』、『アントニオ猪木』等の機種群です。金太郎にいたっては減るゾーンが特に長く、最長70G程も続き、連荘の爽快感がなく折角の純増8枚を台無しにしてしまっています。
高純増+減るゾーン=純増3.1枚といったイメージで、「結局全然増えない」「AT1セットが短いのに減るゾーンの方が長い」などストレスがかかるゲーム性になりがちです。
③高純増&上限
純増枚数は5~6枚の高純増だが、 ATの上限が600~800枚に抑えられているタイプです。そのATが100G以内に連荘しても、400Gで220%未満はクリアできるようになっています。
「700枚上限なら1万円以上の投資はできない」「これならノーマルAタイプを打った方がいい」となり、現金投資に躊躇しがちな機種群です。
④純増3.1枚未満
AT純増が3.1枚未満に抑えられているため、400Gで220%未満は必ずクリアでき、出玉システムやゲーム性に制約がないタイプです。『魔法少女まどか☆マギカ【新編】叛逆の物語』、『GI優駿倶楽部2』、『ガールズ&パンツァ
ーG』など多くのAT機がこれに該当します。
また最近の新台に多く採用されている“場面に応じて純増枚数が変動するタイプ”も、その純増枚数の平均値は3.1枚未満になっているため、このタイプに該当しています。
「システムに不満はないが、出玉が弱い」「純増枚数が3枚ぐらいなら、高射幸機を打った方がいい」と出玉性能に対する不満が多いようです。反面、5号機がなくなればユーザーに受け入れられやすいとも言えます。
①②③のタイプに関してはパチスロの本質から逸脱していて、欠陥品とも言えます。
①のRe:ゼロタイプは当選するゲーム数が管理されていて、毎ゲーム抽選を否定する仕組みであり、②の減るゾーンは連荘の爽快感を奪うものであり、③の上限はAT機としては致命的であり、ユーザーからすると5号機が優位になるものです。
6号機が登場して1年以上が経過し様々なタイプが登場する中で、ユーザーはやはり制約が少ない「3.1枚未満タイプ」を評価し始めているといえます。
今後の6号機のメインは内規が変わらない限り、 ④のこのタイプが主流になると私は考えます。通常AT中は純増2枚で、疑似ボーナス中は純増4枚のような枚数変動タイプもこのタイプに分類できるため今後も増加すると予測します。
②の減るゾーンも短ければストレスもなく、純増3~4枚で短い減るゾーンという②+④のタイプも増えると予測します。純増枚数を無理に5枚以上にすることで、パチスロ本来のゲーム性を崩壊させてしまうなら「純増は3枚で十分」というプレイヤーが今では多く、高純増タイプというセールストークには注意したいところです。
ただし上述した4つの分類に属さないタイプの機械が出てくることも十分予想されるので、そのタイプの機械が出てきたときには注意が必要です。
◆著者プロフィール
三木 貴鎬
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。