【コラム】必読!集客の本質を知る 貴店にお客様が来店しない理由

投稿日:2020年2月17日 更新日:

・失敗しない売り場プロモーション
遂に2020年です! 日本でオリンピックが開催される年となりました。パチンコ業界ではまだまだ困難な課題が続きますが、本年も懸命に取り組む所存でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。

信頼を損なう危ない情報発信

「成果が生まれない理由を知る!」。2020年、特にこの考え方は必要不可欠です。

誤解を恐れず言えば、このことを理解していない経営幹部の方があまりにも多いです。一方、理解している方々は、業界が非常に不振な状況であっても、信じられない程の成果を生み出し続けています。成果が生まれる、生まれないの差とは何なのでしょうか。

そこで、その差を知るために、次の問題を考えてください。

《問題》
新台告知で大当たり出玉や継続率を大々的に伝達することは重要である?

ここ数年、全国のパチンコ店を調査すると、決まって、大当たり出玉や継続率を大々的に打ち出す新台告知を見ます。なぜ、当然のごとく、このような広告展開が広がってしまったのでしょうか?

この取り組みを強化することは、集客低迷に繋がる可能性を、自ら引き起こすことになります。そして、お客様立場から逸脱した非常に危険な打ち出し方です。

もし、あなたのお店で、そのような情報発信を行っているのであれば、一日でも早く売り場から取り外す必要があります。この取り組みを見れば、集客の本質が理解できていない!と悲しい気持ちになります。

お客様との信頼を築くこと

【正解】絶対に実施してはいけない!

成果を生み出すためには、集客の本質を知る必要があります。

集客とは信頼です。ただ、それだけです。至って単純明快です。全ての業種業態でそのことが言い切れます!普段、あなたが買い物に行くスーパーマーケットも、無意識の信頼が働いています。

信頼関係を構築できなければ、お客様は集まりません。万が一、スーパーマーケットで食中毒が起これば、そのスーパーマーケットを利用しなくなるはずです。永続的な集客は、お客様との信頼関係によって決まるのです。これは、まぎれもない事実です。

信頼関係が競合他店と比較して希薄だから、競合他店よりもお客様が少ないだけです。信頼を取り戻せばお客様は増えて、信頼を失えばお客様は減ります。集客の構造は決して難しいものではありません。

集客は信頼であるということを踏まえて、先程の問題に戻ります。新台プロモーションで、大当たり出玉や継続率を打ち出すことは、お客様を裏切ることになります。

遊技機の性能だから事実を伝えているだけ! または、大当たり出玉・継続率を打ち出すことが正しいと思っているなら、考えを改めるべきです。

誇張広告は売上を低迷させる負の影響を及ぼします。その事実を受け入れましょう。

宝くじの収益が減少している理由

ここ最近の年末ジャンボ宝くじの1等・前後賞合わせていくらかご存知ですか?2019年は10億円です。それなのに、総務省が発表する統計データでは、売上は右肩下がりです。

10億円も当たるのに、なぜ売上が下がるのでしょうか?それは、信頼が低下しているからです。そんな高額当たるはずがない!と思う購入者が増えた結果、購入額を減らすか、購入しない!という選択をする人数が増えたのではないでしょうか。

パチンコ業界の現状を深堀りすると、「新台価格の高騰により、新台入替時の利益率を引き上げた」「今後、出費がかさむため、営業全体の利益率を引き上げた」など、現在、生き残るために高利益体質にならざるを得ない現状です。

つまり、放出営業できない状況で、大当たり出玉・継続率を大々的に打ち出せば、より一層、誇張広告となります。また、現在の機種の特徴は、大当たり出玉・継続率の見栄えが良い分、その継続率にたどり着くまでの確率は非常に低いです。

だからこそ、お客様立場で考えれば、煽るだけ煽られ、お店が伝達していることを体感できる場面が過度に少ないため、信頼が益々低下していくのです。皆様が思っている以上に、この現状を憂いて、私は危惧しています。

高利益体質になることが問題ではありません。それは、現状を考えれば、仕方のないことです。問題は、お客様を広告で煽り、裏切っているという罪の意識が、お客様立場で考えていないため、無意識かつ皆無であるということです。

お客様を裏切らないプロモーションに

一方、成果を生み出し続ける店長を含めた経営幹部の方々は、このことを言わずもがな理解されています。「集客=信頼」という図式がしっかり見えています。成果が生れないのは、お客様との信頼関係を高めていないからです。

現時点での新台プロモーションの正解は、絶対にお客様を裏切らないことです。そのためには、繰り返し伝えていますが、大当たり出玉や継続率を打ち出すことをまずは止めましょう。

高額な費用を掛けて、導入しているので、過度にお客様を煽りたくなりますが、それではいけません。煽れば、信頼を失う時代です。過去のパチンコ店は煽っても、それに見合う客数(景品金額)が見えました。お客様の実感が伴っていないのに、煽ることは信頼関係を大きく破壊するきっかけとなります。

それでも、大当たり出玉や継続率を打ち出したい!とおっしゃるのなら、圧倒的な放出を行ってください。

また、補足ですが、ここまでの話は地域2番店以降の話です。圧倒的な景品金額を見せられる地域1番店はご自由な打ち出し方で営業してください。

最後にもうひとつ別の視点で問題を捉えましょう。本当に大当たり出玉や継続率を伝えた方が良いのでしょうか?

野球ファンに元メジャーリーグベースボール(MLB)のイチロー選手の大記録3,000本安打・500盗塁の数値を語っても「ふ~ん」のひと言で盛り上がりません。会話の広がりは、調べれば誰もが知り得る数字より、普段語られないコトに存在します。

お客様の会話に耳を傾けてください。普段見られない演出を見たと楽しそうに話しています。それを広告にすべきです。

◆著者プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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