
他業界では昇進や業績評価の指標にもなり始めたAIの活用度ですが、ホール経営においても日々の業務へどこまで組み込めるかが問われています。現場での具体的な活用法と組織的な定量評価のポイントに迫ります(文=髙橋和輝/ピーメディアジャパン代表取締役)。
昨日はホール企業のAI研修を実施し、明日は某県組合のAI研修を控えています。日に日に「AIをホール経営にどう活かすか」という熱意を感じる昨今です。
AmazonのRing部門では、昇進申請時に「自分の仕事でどのようにAIを活用しているか」の説明が必須になりました。現状、「どのようにAIを使うか」というフェーズではなく、「AIを業務にどのくらい取り入れているか」が指標になりつつある時代と言えます。そこで今回は、「AIをどこまで組み込めているか」をテーマに、実際にホール企業で取り組んでいる事例を具体的に紹介します。
「AIはそこまで必要ないのではないか」という意見もありますが、 AIはかつてのインターネットと同じレベルの技術だと考えます。インターネットの普及期も「電話したほうが早い」「直接聞いたほうが良い」「オンラインの顧客接点は必要ない」と言われていました。仮にタイムマシンでその時代に戻ったとして、インターネットがない企業を選ぶでしょうか。 AIの導入もそれらと同義と考えます。そう考えると、 AIをどこまで活用しているかが個人の査定に影響するという昨今の流れも納得できます。
さて、本題に戻ります。 AIをどこまで業務に組み込めているか、そのポイントは次の3つです。
▼数字系(競合・予実)
▼戦略系(営業仮説)
▼人材系(スタッフへの声掛け)
具体的な取組みとしては、ポータルサイトの情報を定期的にAIへインプットし、台構成の変化や導入傾向を整理させるといったことが挙げられます。
そして、営業の振り返りへの活用です。当日の粗利データや稼働推移をAIに渡し、「想定との差は何か」「次回の改善仮説は何か」を言語化させます。感覚に頼るのではなく、仮説の量を増やすことが目的であり、仮説構築のための壁打ちはAIの得意分野と言えます。
最後に、スタッフマネジメントへの活用です。「最近元気がないスタッフに対して、どのように声掛けをするべきかAIへ聞く」「ベテランと若手の関係がうまくいっていない場合の解決策をAIに聞く」といった活用が行われています。
経営幹部の役割はそれだけではありません。組織として、以下の点を定量的に把握することが重要になります。
▼どれだけAIが活用されているのか
▼どの部署で、どの業務に組み込まれているのか
▼どのような成果につながっているのか
例えば、以下のような指標を用いて可視化します。
▼AIの活用回数
▼AIを通じて生まれた改善提案数
▼AI活用を起点に実行された施策数
▼AIを活用した会議資料の割合
今後は、こうした指標を可視化し、組織として適切に評価していくことがさらに重要になりそうです。
◆プロフィール
髙橋和輝
株式会社ピーメディアジャパン代表取締役。大前研一ビジネススクール出身。18歳から現場一筋で、ホール企業勤務を経て、コンサルタントとして独立。業界初のホール企業向けサブスクサービスを12年運営。現在はパチンコ特化型BtoBプラットフォームを展開(2024年取引額約6.5億円)し、ホール営業×AIを開発中。



