パチンコホールの広告宣伝市場、839億円規模に拡大 市場規模の1/3は「来店イベント・取材」 演者は総数1,400名~1,700名と推計

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矢野経済研究所は11月17日、2024年のパチンコホール広告宣伝市場に関する調査結果を発表した。市場規模は839億円となり、前年から36億円(前年比4.5%増)拡大した。デジタル広告や来店イベント・取材の活発化を背景に、堅調な成長を維持している。

調査は、パチンコホールやホール経営企業、広告代理店、業界団体を対象に2025年6月から8月にかけて実施。広告宣伝費を「折込チラシ・DM」「ウェブ広告」「店内装飾」「来店イベント・来店取材」「その他」の5カテゴリに分類して分析した。

トップはウェブ広告で287億円(全体の34.2%)を占めた。ディスプレイ広告やリスティング広告のほか、LINE公式チャンネルやファン向けポータルサイトの利用料などが含まれる。特にLINE広告の利用が増加しており、出稿先の多様化を背景に、費用対効果の高いメディアを見極めたいとするホール企業のニーズが高まっているという。

2位は来店イベント・来店取材で282億円(同33.6%)。2024年に改訂された「広告宣伝ガイドライン」第二版において、第三者を介した取材・宣伝に関する指針が明確化されたことで利用が拡大。なかでも、パチンコに詳しい「演者」と呼ばれるタレントやインフルエンサーによる来店イベントの比率が高く、220億円規模に達する見込みだ。演者として活動する人物は1,400~1,700人と推計されている。集客効果が高い手法として今後も市場拡大が続く見通しである。

また、2024年におけるホール1店舗あたりの月額広告宣伝費は平均1,077,000円。設置台数が901台以上の大型店では3,471,000円に上り、大型店比率の高い東海・北陸エリアの支出が比較的多い傾向が見られた。

同研究所は今後について、物価上昇に伴うサービス単価や印刷コストの上昇を背景に、市場規模がさらに拡大すると予測。2025年には868億円(前年比3.5%増)、2027年には918億円に達する見込みとしている。

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