店舗全体の稼働アップを考えたとき、主力機の活用法はもちろんですが、それ以外の機種の稼働を一段引き上げることもまた重要です。その過程で、店舗信頼度の向上も図れますので、是非参考にしてみてください。
現在の平常日におけるパチスロコーナーは、多台数設置している機種の中では『東京リベンジャーズ』『東京喰種』『モンキーターン』『いざ!番長』『沖ドキ』『ジャグラー』『ハナハナ』が稼働を牽引しており、その他の脇役機種の稼働は落ち込んでいます。
『マギアレコード』『吉宗』『かぐや様は告らせたい』『ゴッドイーター』『モンスターハンターライズ』『バイオハザード5』『からくりサーカス』は、一時はメイン機・準メイン機の位置付けで活躍しましたが、平常日の稼働は厳しくなっており、減台され始めました。しかし、完全撤去対象ではないことは付け加えておきます。
脇役機の稼働低下は自然なことですが、それを抑え、固定機として活用できれば機械代削減や全体稼働の底上げにつながります。脇役機を活かすための設定運用方法は以下の4点です。
①全体イベント時に設定6投入
②平常日にALL設定4を使う
③平常日にALL設定2を使う
④大負け台には翌日設定4投入
かつてメイン機・準メイン機で活躍していたこれら機種は、ユーザーの思い入れがある機種が多いです。勝った負けたという体験が残っており、“設定さえ入っていれば打ちたい”と考えます。そのため設定が入っているかもと思わせる運用が効果的です。ポイントについて解説していきます。
①については、単純ですが最も重要な運用方法となります。イベント時に高設定が入っていない機種は「見捨てられた」「やる気がない」と印象づけられますので、確実に高設定と認識してもらうため設定6を投入するしかありません。イベントが複数回ある場合は最低1回は設定6を投入しましょう。雑な言い方にはなりますが、勝手に稼働するメイン機種の設定配分を下げて、脇役に振り分けることで、全体稼働に好影響を与えます。
②についてですが、脇役機の平常日稼働は概ね5000~7000枚程度になるイメージですが、時折2000~3000枚と急激に低下する日があります。これは危険信号で、その状態を放置しておくと撤去候補に成り下がってしまいます。そのため稼働が急激に落ち込んだ日の翌日は思い切ってALL4にし、応急処置をしてもらいたいです。こうすることで、その機種の寿命は延びます。
③について、脇役機はALL1での運用が基本だと思いますが、偶数示唆、設定2以上示唆が有効な機種に関しては、ALL2とするのも効果的です。推奨機種としては『マギアレコード』『ゴッドイーター』『バイオハザード5』が挙げられます。
④ですが、先述の通り、以前高稼働していた脇役機には固定ファンが存在します。平常日で目立った大負け台には、その翌日に設定4を投入してフォローしておきましょう。このような大負け台に設定5や6を投入するホールもありますが、めざとい設定狙いの客に取られてしまうことも多いため、フォロー目的なら設定4で十分です。“稼働が弱い脇役機でも、大負け台は還元してくれる”というホールの姿勢を見せることが重要であり、そうすることで機種のファンを掴み、脇役機の寿命を延ばすことになります。
ここまで挙げたポイント4点は、パチスロ平均稼働が8000枚以上あるホールなら効果は高く、稼働の底上げにつながります。一方、平均稼働が8000枚を下回るホールでは、まず主力機をしっかりと高稼働させる努力が必要であり、脇役機を放っておいてでも、メイン機種の稼働アップに注力する必要があることは付け加えておきます。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。



