【コラム】パチンコ・玉単価のグラデーションについて考える

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多くのファンで賑わう約20年前の『CR海物語3R』コーナー。貸し玉料金は当時と基本的に変わっていないにも関わらず、現在の営業はややキツ過ぎるという印象も否めない。

私がパチンコ業界に入った20年ほど前は、パチンコ機に関してはシェアが50%を超えるほど『CR海物語3R』が設置されているホールも珍しくありませんでした。

地元で愛されたそのホールは朝一からお客さんの入りがパンパンで海物語の平均アウトが4万発を超えており、玉単価は0.8円ほどだったように記憶しております。当時と現在では交換レートの違いもありますが、そうだったにせよ、貸玉料金は1玉4円というのは変わっておりません(外税方式はできるようになりましたが、そちらは除外して考えます)。

懐古主義ではありませんので、今のパチンコやパチスロの良さを十分に理解はしているつもりですが、単純に玉単価比較で言えば2倍ほどの運用になっているといっても過言ではないということを考えた場合に、さすがにキツ過ぎるという印象を持ってしまうのは否めません。

現在の玉単価におけるパチンコ機のスペックグラデーションは以下の通りです。
・4円ハイスペック 2.2円~2.4円
・4円ハイミドルスペック 2.0円~2.4円
・4円ライトミドルスペック 1.9円~2.2円
・4円甘スペック 1.5円~1.8円
・4円海物語シリーズ(ミドルスペック) 1.5円~1.7円
・4円海物語シリーズ(甘スペック) 1.1円~1.3円
・4円ハネモノ系 0.6円~0.8円
・1円ハイミドルスペック 0.6円前後
・1円甘スペック 0.4円前後

ざっくりとした印象ですがこのような感じでして、現在の4円パチンコ全体における平均玉単価が2円近いと考えれば、それがどれだけキツいか?というのはご理解いただけるかと思います。

一方で、海物語シリーズの甘スペックやハネモノ系は、特にハネモノは全体におけるシェア率が低いという部分はあるものの単価レンジとしてはこれを見るだけでも非常に価値の高い存在と言わざるを得ませんし、実際にユーザーの支持率で言えば決して低いものではありません。

役物そのものの動き等が面白いというハネモノ独自の強みもありますが、単価レンジによる面白さというのもハネモノの良さの1つであるといえるのではないでしょうか。

また一方で、最近海物語シリーズがどれも好調な結果になることが多い印象がありますが、それらについても玉単価が1つの要因になっていることは否定できない事実かと思われます。貸玉レートだけではない機械スペックそのものにおける「射幸性の幅」や選択肢を揃えるというのは、高射幸性の機械を生かす上でも重要な要素だと考えられます。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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