稼働・粗利・設定の3視点で機種運用を可視化する「ポジションマップ」手法を紹介。設定①を例に、店舗での稼働特性や貢献度を多角的に評価する実践方法を解説します。
今回ご紹介するのは、ポジションマップを活用して機種運用を「稼働」「粗利」「設定」の3つの視点から評価し、貢献度合いを可視化する手法です。本来、全設定毎に確認するものですが、今回は設定①での運用評価について、店舗の事例を元に解説します。
エリアAでは、稼働が非常に高い(店舗平均の2倍)機種を抽出しています。設定①でここにポジションできる機種は設定不問で遊技志向が非常に高い、あるいは設定看破が難しい人気機種であると評価できます。今回は『L東京喰種』のみ該当、他機種と比べると際立った位置を取りました。
次に、一定以上の稼働と高粗利水準を期待でき、短期収益の柱として有効となる機種の範囲抽出です。今回は、設定①の稼働が店舗平均の1・5倍以上、出玉率97%前半という条件でエリアBとしています。『東京喰種』のほか5機種が入りました。今回のデータでは新台や準新台が多く該当し、当該の店舗で良稼働・高粗利実績を形成しているのは、新台を中心とした機種である傾向も見て取れます。
今回、紹介したのはあくまで一例ですが、単なる数値からでは読み取りにくい店舗の稼働特性、設置機種実績を相対的な位置関係や距離感で一元的に考察・把握できることが、この手法の強みです。
エリアの抽出条件は店舗戦略によって異なりますが、ポジションマップで可視化される“数値の裏”にある機種毎の強みや課題は、自店舗の経営計画を支える重要な指針となるでしょう。
◆プロフィール
中野大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。