【コラム】パチンコは、出玉ばかり追い求めて本当に良いのか?

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ラッキートリガー3.0プラスを搭載した機械が今年の7月以降に断続的にリリースされますが、その一方で、そこまでの出玉性能は必要ないのでは?という声が少なからず聞こえてきます。本日は開発者目線でそのあたりの問題について考えてみたいと思います。

そもそも開発者としては選択肢が広がっていくことに関してはウェルカムです。特にゲーム性を構築するためにスペックの幅が広がるというのは非常に歓迎すべきことだと考えております。

かなり昔の話になりますが、パチンコの確率1/315.5で確変50%時代は全ての機械のスペックが画一的だったために、版権を使った機種開発を行うといった点で差別化を図るといった手法がとられておりましたし、その版権に沿ったゲーム性や演出を広げていったという過去があります。

最近ではあまりでなくなった歌パチ系や親しみがあるアニメ系、変わり種で言えば京楽産業.がリリースした『P-MAN』なんかは、やはりゲーム性にこだわったからこその内容の機械だと考えられるわけです。

その後、確率が1/499まで作れるようになった際にはそれまでにほぼ存在しなかったバトル演出に焦点があたっていくわけですよね。そのため、戦闘シーンがあるような版権が好まれたりしていたわけです。スペックでできることが広がった結果、そのスペックに合う版権やゲーム性が拡充していき、結果としてパチンコ機としての幅が広がっていくわけです。

その一方、遊技機メーカーとして販売台数を考えていった場合、どうしても出玉性能や射幸性に寄った機種開発をする部分は否めない部分ではありますが、一方でさすがにそれらの機械ばかりが溢れてしまっているという現状は否定できません。

ホール側としては短期的な集客や売上向上ではなく、中長期で遊んでもらいたいという視点の方がより重要なわけで、今現在のホールにて中長期で稼働している台は海物語シリーズであったりエヴァンゲリオンシリーズであったりするわけです。

何度も言いますが、今回のラッキートリガー3.0プラスという基準変更に伴い表現できる幅が広がったことにより、より「ゲーム性」や「演出」といった部分、ユーザーがより楽しめる内容といった視点で機械を見てもらいたいと思います。

開発者としては言いにくい部分ではありますが、通常時においては先バレ等の遊技カスタムがあるため、そこそこの内容で、RUSH突入後に脳汁が出るような機種開発というのはある種、今現在では王道の作り方ともいえる中において、今の時代だからこそユーザーに支持される版権やゲーム性、それに合致したスペックなのか?という視点で機械を見てもらえれば幸いです。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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