【コラム】4円パチンコの振り返りと2025年の展開

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2025年となりました。おさらいではないですが、昨年1年のパチンコの流れを簡単に振り返り、来年の展開を少しだけ予想したいと思います(文=荒井孝太/㈱チャンスメイト 代表取締役)。

ラッキートリガー元年、昨年後半のパチンコはLT機一色

昨年3月にラッキートリガーの搭載が認められて以降、パチンコを席捲したのは皆さまのご認識の通りかと思います。昨年7月にはLTを成立させるための計算式に変更があり、その結果、LT突入率が以前のものより高く作れるようになりました。

このため、さらにLT機はメリハリの効いたスペックに変貌していくことになりました。元々のラッキートリガー突入率は確率で換算すると約1/1000が限界値だったのですが、それが上記の通り計算式変更に伴い、約1/700ぐらいまでは確率を落とすことが可能となりました。

LT突入確率が高く作ることができるようになったことで、図柄揃い大当たり確率1/399、LT突入率を50%とし、図柄揃い大当たりから2分の1にて直でLT状態に突入といったようなスペックが多くのメーカーからリリースされることになりました。また、この流れは2025年以降も続いていくと思われます。

多種多様なスペック開発が基本的な考え方

元々のLTのイメージは、ライトミドル付近の確率帯のスペックにて、通常のRUSHとは別に、極僅かな確率で突入する可能性があるといったものでした。しかし現在は、「チャージ演出」(という名の図柄が揃わない大当たり)により、ユーザー視点から見た図柄揃い大当たりの確率を引き下げることで、体感確率だけではなく、実際の出玉そのものも旧時代をほうふつとさせるスペックを再現が可能となりました。

一方で、『北斗の拳 強敵 』のように、甘デジスペックで通常RUSHでも玉は増やせる一方で、それなりに期待できる確率でLTに突入してハイスペック以上の連チャン性能を保持しているというスペックや、『まどか☆マギカ3』のように王道ライトミドルスペックにてRUSHに突入さえすれば、それなりに期待できる確率でLTに突入して、こちらもハイスペック並み以上の出玉を獲得できるスペックなど、昨年はLTが広がったおかげで多種多様なスペックに広がった1年でもありました。

スペックシェア割合でみてみる

実際にスペックシェア割合を確認してみると、一昨年(2023年12月)の段階では下記のような感じでした。

・ハイスペック 5%
・ハイミドル 57%
・ライトミドル 14%
・甘デジスペック 18%
・その他 6%

それが昨年(2024年12月)には、下記のようになりました。

・ハイスペック 13%
・ハイミドル 46%
・ライトミドル 18%
・甘デジスペック 17%
・その他 6%

見ていただいたらわかる通り、1年前に比べてスペック帯が分散しております。思い返せば1年前はハイミドルスペック一強でした。しかし現在、さらに上のスペック帯も増えはしましたが、打ちやすいスペック帯も増えた印象です。

デカへそを搭載した『貞子』や『ガンダムUC2』なんかは確率帯こそ深いですが、見た目のへそサイズだけでなく、実際に1000円スタートが従来機の2倍ほど周りますし、『にゃんこ大戦争』は甘い確率帯ではありますが大量出玉が期待できるスペックとなっています。

このように、射幸性ばかり注目されるLT機ですが、LT搭載で多種多様な機械があふれることになったことは事実としてありますし、開発者としてはこのスペックの幅が広がったことにより更にユーザーを楽しませる機械を開発できると確信しております。

2025年もパチンコ機の更なる飛躍にご期待いただければ幸いです。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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