既に情報が出回っているパチンコ『eULTRAMAN』『e閃乱カグラ』『e蒼天の拳』にて、示し合わせたかのように特図2の出玉ALL2,400個×継続率約80%というスペックを搭載していることが明らかとなっています。本日は、この不思議な現象とスペックについて解説したいと思います(文=荒井孝太/㈱チャンスメイト 代表取締役)。
■偶然?それとも必然?同時期に同じスペックが発表になる件
遊技機市場では、過去にも示し合わせたかのように同時期に同じようなスペック機が登場したことが幾度となくありますが、今回も旧MAX時代よりも性能が上では?と思えるようなスペックが同時期に3機種も登場することになりました。最終的には偶然ではあるものの、これらのスペックは実は想定の範囲内というのが正直なところでありました。
実は今年の夏ごろに2つ以上の大当たりを1つの大当たりにみえるような出玉の取らせ方をするスペックの総量出玉計算方法が少し変更となりました。そのため、ラッキートリガーそのものの総量出玉9,600個未満という数値自体には変更が無いものの、総量出玉を計算する方式に変更があったことにより、変更後の方が出玉的に少し有利になりました。実は、前の計算方法だとALL2,400×約80%継続というのは実現が出来なかったのです。
■開発者がスペックを決定するときは逆算して考えることもある
計算方法の変更に伴い、旧規則時代の16R×15個賞球×10カウントで出玉が獲得できる2,400個と8R×8Rの普図を活用したスペックにて大当たりを一連で見せることができるスペックで2,400個のスペックを搭載した場合、総量出玉ギリギリの数値は継続率約80%というのは少しの計算で算出できますので、実はそれほど難しい話ではないのです。
そのため、計算方法の変更に伴い、各メーカーの動き出しから機械完成後に各指定期間への持ち込みから適合を受けて発表というのは、最速で動いた結果、適合を受けたのは今現在ということに他ならないわけです。
図柄揃い確率や時短の有無、初当たり後の直LTやRUSH突入率や初当たり時出玉等、細かい部分で違いはあれどLT突入後の性能面はほぼほぼ同じの3機種ですが、今後も同様のスペックがリリースされる可能性があります。しかし、先行することができた3機種がポイントになるのは間違いないかと思います。
■図柄揃い確率1/399スペックがキツいのは本当なのか?
この辺りの話をすると長くなりますが、1/399という確率は今のお客さんにとってキツすぎるのでは?という意見をお持ちの方が少なからず存在します。
また旧MAX時代とは違い、ベース値に違いがあるためかなりキツすぎるのでは?という意見があるのも一定理解はできます。
ただ多くの方がLT搭載の機械スペックは、ほぼすべての機械の初当たり確率が1/199前後であるというのを失念されていらっしゃいます。図柄が揃わない大当たりは、多くはチャージ演出として搭載されているのが一般的であり、機械によって違いはありますが大体出玉的には300個ほど獲得できるものが多いです。
こちらは全て通常ベースにONされますよね?それを計算した場合、これもスペックによって違いはありますが、大体通常ベースに馴らすと+3~+4ぐらいになることが多いです。
勿論、多少ベース値が上がっても…という部分はありますが、機械の作り方によっては客滞率も高くすることは可能ですし、図柄揃い確率が従来機よりも悪いからと言って、他の要素を考えずに「キツすぎる」というのは、いささか早計である、というのは申しお伝えしたいところではございます。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。