シーズリサーチは7月10日、「第97回 パチンコ景気動向指数(DI)調査」の結果を公開した。この調査はパチンコホール経営の業況を定期的に調べるもので、6月13日~28日にかけて実施され、計51社の日遊協、MIRAI、余暇進の会員ならびに全国の有力ホール企業が回答した。
最新の市場調査によると、過去1ヵ月の収益や売上、粗利などから判断される「全般的業況」は前回比36.0ポイント悪化の▲12.3ポイントと大幅に悪化し、3ヵ月後もマイナス圏(▲9.6 ポイント)で推移する見通しとなった。業況悪化の理由については「来店客数の減少」を挙げる割合が全体の8割超に上った。
稼働状況については、パチンコが前回比19.5ポイント悪化の▲61.6ポイントであるが、3ヵ月後には▲50.7ポイントまで回復する見込みである。一方、パチスロは前回比16.0ポイント悪化の30.1ポイントとなり、3ヵ月後には31.5ポイントに回復する見通しだ。
遊技機購入費の増減差(※遊技機購入費を「増やす」との回答から「減らす」との回答を差し引いた値)については「パチンコ新台」が▲23.4ポイント(前回比5.4ポイント改善)、「パチスロ新台」が18.8ポイント(前回比15.8ポイント悪化)となっている。
ホール経営の現状と今後について、調査に回答したホール関係者の主なコメントは以下の通り。
・改札対応がすべて終わり、営業の準備は整った。しばらくは業界情勢の分析をし、ステップアップにつなげたい。また、遊技機メーカーの販売方法に振り回されないように慎重に対処していきたい(中部・小規模事業者)。
・7 月にラッキートリガーの性能が緩和されたスマパチの話題機が続々登場し、パチンコ参加人口が増加する可能性が高まる。その際にパチスロからの顧客流動ではなく、全体の遊技参加人口が増加となるのかが大きなポイントとなる(東北・大規模事業者)。
・パチスロ好調、パチンコ不調といった感じで、全体的な客足の復活にはまだ遠い印象だ。新紙幣対応は負担が重く、やめる店も増えると思う。遊技機の「重い」「高額」「短命」は時代にそぐわない(中部・小規模事業者)。
・広告宣伝のガイドライン緩和に便乗して、外注費の単価が上昇している。また、広告宣伝の需要と供給に対する各社の考え方の温度差や営業力の差も見られる。各社の創意工夫がより活発となるのか、ただのパワーゲームとなるのかが注目される。プレイヤーへのしわ寄せが稼動に影響がでるのか、内部留保で投資していけるのかなども検討が必要となるだろう(関東・小規模事業者)。