日遊協近畿支部は6月15日、大阪市を訪問し、業界による依存問題への取り組み状況を説明するとともに、今後の連携体制の構築について意見交換を行った。同市議会が5月25日に可決したパチンコをギャンブルと位置づけ、依存対策を促進させるとした意見書に対し、業界側の取り組みを説明することで、正しい認識を共有してもらうことが目的だ。
当日は、日遊協近畿支部から増田光均支部長、森廣利也事務所長、本部からは浜田昭文常務理事、須田直行総務課補佐、依存問題PTから鈴木智一委員が出席。大阪市側は、担当部署となる健康局健康推進部などが対応した。
日遊協は、これまで業界が取り組んできた依存問題対策の全体像を説明するとともに、具体的な事例を解説。さらに、松井一郎市長の「パチスロは夜店のスマートボールと同じ扱い」「ギャンブルと位置づけ、真正面から依存症の方のケアに取り組むということだ」などの発言を受けた報道が与える影響に意見を投げかけた。
説明を受けた大阪市側は、「パチンコ業界が依存問題対策に取り組んでいるというのは知っていたが、これほどまで細かくやっているというのは驚いた」と認識不足だった点を認めつつ、「大阪府遊技業協同組合とはこれまでも、我々が作成したポスターに掲示でご協力をいただくなど、以前から協力体制があり、これからも様々なレベルで連携、協力体制をとっていきたいと考えている」「松井市長には「ギャンブル等」の「等」にパチンコが含まれているというのは、以前から既に説明済みで認識もある」「今回、訪問があったことは秘書を通じて松井市長に伝えたい」などとし、今後は協力して依存対策に取り組んでいきたいとの考えを示した。
今回の訪問は、大阪市議会が5月25日に「パチンコ、パチスロ等をギャンブルに位置づけ、ギャンブル等依存症防止のための適切な対策を促進させることを求める意見書」を可決したことに加え、松井一郎大阪市長による誤った認識に基づく発言がニュースサイトなどで拡散されたことを受けたもの。日遊協では、今回の件を機に、大阪市に対して、業界の依存問題に対する取り組み状況を定期的に報告するとともに、連携体制を深めていく考えだという。