コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。今後の販促ポイントについて、㈱プラスアルファの野島崇範専務取締役に聞いた。
──コロナ禍でまだまだ客足が戻ってこないホールも多いと思います。店舗に来てもらうための販促として、注目できるツールはありますか。
若年層はある程度、効果的な外販を行えば動いてくれることが分かりました。そういう意味でも外販はやるべきです。
その中で最近、よく使われているのがツイッターのアカウントです。ただ、活用していても、フォロワー数や「いいね」の数だけを追っているホールが多い印象です。それが最終的に集客に結びついているかというと、それほど上手くいっていません。
アイドル店員であれば、いつ行けばその店員に会えるのか、出勤日などを盛り込んでいくことが大切です。ただやり過ぎると営業色が出てしまいますので、バランスが大事になってきます。
上手に活用されているホールを分析すると、3割くらい出勤日を入れています。ツイッターを含むSNSの運用が増客へ繋がるために、目的を明確化しなければ、労力だけが増えてしまいます。
──ツイッターなどは若年層向けかと思いますが、年配層向けの販促はいかがでしょうか。
会員データを活用して、まだ戻ってきていない層にピンポイントでアプローチしていくのがよいでしょう。
例えば海物語の新台を入れるのであれば、まだ戻ってきていない海物語のお客様にDMを送る。不特定多数にDMを出すよりも、ピンポイントDMであれば、それだけ効果も見える化しやすくなります。紙媒体はまだ年配層に有効ですので、紙とネット・ SNSを客層別に使い分けていくのがよいです。
──来店してくれた遊技客への販促として意識しておくことは何でしょうか。
年末年始であれば、旧規則機の撤去に伴い、大量の新台入替や大型入替が増えます。当然、そうした大型入替の店内プロモーションが増えますが、一方で、大量の新台が入れば、外れる台や他の島に移動する台も増えるわけで、お客様の中には移動した台を探せずに撤去されたと思って競合他店に打ちに行ってしまうこともあり得ます。
移動した台は新台プロモーション以上に物量数を掛けた展開を行うことが重要です。お客様を離反させないためにも移動台のフォローは意識すべきです。
──コロナ禍の中、販促面で何か変化は出ていますか。
コロナ禍で、遊技台の横に置いている遊技説明をお客様が使わなくなっていますね。特に高齢の方は触りたくないという心理が強いのだと思います。
そこで、台にQRコードを貼り付けてそこから機種説明を見てもらったり、年配者向けに持ち運びができるよう紙の機種説明を用意するホールも出ています。
小さなことですが、コロナの影響でお客様も遊技時間を短くしたり、使うお金を控えたりしていますので、プロモーションの面でも、どうすれば客単価が少しでも上がるのか、再来店に繋がるのかをお客様の立場で考えていくことがますます大切になっています。
野島崇範(のじま たかのり)
㈱プラスアルファ専務取締役。全国のパチンコホールを年間1,000店舗以上調査し、繁盛店に共通する法則を可視化。青山学院Hicon(青山学院大学)指導のもと、「売り場プロモーションの定量化」の共同研究。