【識者インタビュー】集客とコロナ対策をきっちり区別する

投稿日:2020年12月7日 更新日:

コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。感染拡大と収束を繰り返す新型コロナ対策について、業界人向けサイト「P-media Japan」を主宰する高橋和輝代表に聞いた。

──今年は新型コロナウイルスの影響でホールが営業自粛するなど、他に例を見ない年になりました。営業再開から約半年が経過した今、感じることはありますか。
まず、私が言いたいことは「コロナ対策」をやり過ぎると売上は確実に落ちてしまうということです。それはなぜかというと、仮に店長の頭の中を100%とした場合、ピーク時に80%くらいコロナ対策のことを考えていたと思います。イコール、20%しか集客のことを考えていなかったということになります。私は店長の仕事の99%はお客様を集めることだと思っていますので、コロナ対策を考え過ぎるのはやめるべきです。

──では、コロナ対策についてはもう考えるフェーズではないということですか。
変に伝わってほしくないのですが、コロナ対策をしなくてもいいということでは勿論ありません。そこで私が取引先に推奨しているのが、「コロナ対策」と「集客」の部署分けをすることです。店長1人がコロナ対策と集客を両軸で考えるのではなく、コロナ対策の専門部署を設けて、それぞれが集中して考えられる環境をつくる。これから年末にかけてお客様の取り合いになりますので、きちんと区別して考えられる態勢を取れているかどうかが、営業戦略上、大事になるでしょう。

──現在のホールのコロナ対策についてはどう感じていますか。
ほぼほぼ整備されているのではないでしょうか。最近も色々なホールさんを見ていますが、入口の検温や遊技台の消毒(告知を含めて)、パーテーションの設置などを確実に行っています。私はホールのコロナ対策は概ね80点はつけてもいいと思います。

──コロナ対策への投資は、どのホールも一段落しているのですね。
はい。あとはお客様レベル、地域状況によってコロナ対策の強弱の調整は必要になってくると思います。まだまだコロナに対する考え方には地域差がありますから。それと失敗しないことです。例えば、アルコールを設置していても中身が切れていたら意味がありません。こうした細かい環境整備も怠らないようにしましょう。

──部署を分けること以外に、ホールが備えておくべきことは。
6月の営業再開後に稼働回復が早かったホールに共通して言えたことは、「顧客接点を切らさなかった」という点です。例えば、休業中でもテイクアウト型屋台販売や駐車場の無料貸し出し、マスクのポスティング・店頭配布などを実施していたホールですね。なので、出来るところは物であったり、場所であったり、情報を使って顧客接点を切らさない施策も考えてみてはどうでしょうか。

◆プロフィール
高橋和輝(たかはし かずてる)
パチンコ業界人のためのプロフェッショナルサイト「P-media Japan」を運営。現在は全国各地のホール事例を元にコンサルタント業務、アドバイス業務などを手掛ける。

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