コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。今後のジャグラー営業について、㈱メイドインサービスの飯田信一取締役常務に聞いた。
──営業再開後のジャグラーの稼働推移は?
ジャグラー系の客数の回復状況は、体感的に9割程度です。高齢者の戻りが遅く、特に『アイムジャグラー』系の回復が鈍いですね。ホール全体の売上はコロナ前と比較し、2割ほど落ち込んでいますが中小、零細ホール企業の売上はそれ以上の落ち込みで経営に大きなダメージを与えています。従って粗利率を上げざるを得ないため、ジャグラー系の設定状況は、コロナ前より確実に悪くなっています。
──設定を下げた場合の集客への影響が気になります。
ジャグラー系は、ハナハナ系と比べ、設定を下げた場合のユーザーの反応が鈍いため、設定を下げてもすぐさま客が飛ぶということはありません。客数への影響は、だいたい3ヵ月後から見始められます。一度、お店から離れたユーザーは、基本的に戻ってくることはなくこれがジャグラー運用において最も恐れることです。既に客数を落としたホールに加え、これから客離れが進むホールも出てくるでしょう。
──年末年始の営業のポイントは?
6号機アイムジャグラーの活用です。5号機版に比べてTYが下がっていますが、大当たり確率や出玉率は甘く、ジャグラーの良さである遊びやすさ、楽しさが継承されています。
──望まれる同機の運用方法は?
最大6年間の設置を前提とし出玉率100%以上を半年は維持することです。日々の運用を通じて、6号機版を遊技した自店ユーザーに「安心して今後もジャグラーが打てます」と伝えることが、年末年始のジャグラー営業で最も重要な施策となります。また、その他の施策として、各5号機ジャグラーの撤去予定日を来店ユーザーに知らせることで、6号機ジャグラーの必要性を理解してもらう必要もありますね。
──来年のジャグラー営業ですが、どう見通していますか?
おそらく、ほとんどのホールが5号機ジャグラーをギリギリまで使うでしょう。ただし、アイムジャグラー系とマイジャグラー系では、求められる役割が大きく異なります。
──どう異なるのでしょうか?
マイジャグラー系は、高射幸性パチスロ機を撤去した後の受け皿としての役割が今よりも大きくなります。そのため、受け皿かつ売上の維持、粗利の確保を優先した運用が求められます。現在、『マイジャグラーⅣ』の中古機価格が非常に高く、売却を検討しているホールもありますが、個人的には止めておくべきと考えます。受け皿となる機種が店舗内で不足すれば客離れの可能性が高まります。売却益よりも高い代償を払うことになりかねません。
一方、アイムジャグラー系では、自店ジャグラーコーナーの信用を維持するための運用が求められます。これまで培った自店のジャグラーに対する信用度は、6号機時代においても、ジャグラーで維持し続けるしかないことをホール関係者は理解すべきでしょう。
飯田信一(いいだ しんいち)
㈱メイドインサービス取締役常務。設定調整や機種選定を主とするホールコンサルティング業務ほか、セミナー講師、メーカーの開発・販売支援など、ホールとメーカー両サイドから業界を盛り上げる業務に従事。