コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。海物語シリーズの活用について、トビラアケルの小島信之代表に聞いた。
──来年の1月で検定機の『CR大海物語4』が撤去を迎えます。撤去されるまで、ホールはどのように使っていくことが必要でしょうか。
自店の海物語を遊技していて良かったと思ってもらえる使い方をしていくことが望ましいです。『大海4』の稼働は、大海だからついたのではなく、海物語というコンテンツそのものについていると思っています。それを、撤去日が迫っているからと粗利回収を目的としたぞんざいな扱いをしてしまえば、お客様は海物語から離れてしまいます。今までと同じ様に、店舗とお客様が一体となって、撤去されるその日まで活用していくことが大事です。
──『大海4』が撤去されることで、海物語マーケットにはどのような影響が及ぶと考えていますか。
正直、影響はあまりないと思います。先ほどもお話しましたが、大海だから遊技しているのではなく、海物語が好きで遊技しているお客様がほとんどですので、無くなったからといって遊技しなくなるお客様は少数派だと思います。
──そうなると、『大海4』撤去後の代替機種、回遊する機種は海物語シリーズということですね。
どの海物語機種になるかは、店舗・地域の推し機種次第ですが、回遊する機種は海物語シリーズで間違いないと思います。ただ、ミドルの海物語を遊技している人はミドル海、ライトミドル海を遊技する傾向にありますので、同等かそれより1つ下のスペックの機種になるでしょう。機種名をあげるなら『沖海4』、『大海物語4スペシャル』ですね。
──バトンタッチはスムーズにいきそうですね。
はい。ですが、ホールとしては引き続き店舗の良い場所に設置して営業することが大事です。海物語のお客様はスペック・ゲーム性からくる安心感に加え、店舗で注力している機種であるという特別感も求めます。この部分はしっかりと抑えておく必要があります。
──12月に登場する『大海4スペシャル』はどう評価していますか。
ゲーム性もシンプルですので、従来の海物語シリーズと遜色なく遊技できるのではないでしょうか。確変割合が大海4より若干抑えられましたが、その分、時短が120回になり遊タイムも搭載されていますのでプラマイゼロです。大海4のようなラウンド昇格演出などの楽しみが無くなってしまったのは少し残念ですが、通常でも確変でも1,500個獲得できるため安心感が増したと考えればお客様も納得するのではないかと思います。
──活用していくうえで気を付けなければいけない点はありますか。
やはり遊タイムですね。通常時950回消化で時短が350回付与されます。一般のお客様は「遊タイム発動=大当たり濃厚」という認識の方が圧倒的に多いです。ただし、大海4スペシャルでは3回に1回は当たらずにスルーしてしまいます。遊タイムに関するプラス面、マイナス面をしっかりと情報提供していくことが重要です。
小島信之(こじま のぶゆき)
トビラアケル代表。大手ホール法人にて機械担当に従事。独自の視点での機種分析に定評がある。独立後はそのノウハウを様々な企業に提供し、業界に広めている。