東京都遊協は3月31日、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、パチンコホールの開店前に来店客を並ばせない施策の徹底を、文書を通じて組合員ホールに要請した。
来店客を並ばせない施策として同組合が挙げたのは「集客を目的とした各種告知広告宣伝の自粛」と「どうしても並んでしまう場合の店舗対応」の2点。
「集客を目的とした各種告知広告宣伝の自粛」では、特にSNS等による告知と、駅貼広告や店頭、ホームページ等での「新台入替」や「特定機種」に関する告知が未だ自粛されていないとの報告を受けているとし、該当するホールに対して至急の是正を求めた。
また「どうしても並んでしまう場合の店舗対応」としては、屋外の密室でないところであっても、濃厚接触のリスクを軽減するため、「大きく間隔を開けて誘導すること」「整理券など並ばせない工夫を考え、実施すること」を求めた。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に当たっては、一般の様々な業種で営業の自粛、あるいは営業時間の短縮が実施されている。このようななか、先週末(3月28日、29日)、テレビやネットニュース等で、パチンコホールの開店前に数百人が並んでいる光景が報道され、世間から疑問の声が上がった。
実際、3月30日に開かれた小池百合子東京都知事の記者会見では、NHK記者が「パチンコや麻雀、性風俗店に関して感染が疑われる事例は確認されていないのか」と質疑し、西浦博北海道大教授が「曝露(※ウイルスなどにさらされること)が疑われる場所に関して、パチンコ店や雀荘は現時点で報告はない。性風俗については、他の都市では疑われる事例も少し情報を受けているが、東京都内では報告はない」と答える一幕もあった。
こうした情勢もあり、今回の文書では「遊技場において、感染が拡大したケースはないが、いつ起こってもおかしくない状況にあることに変わりない。また世間から『休業すべき』『イベントを中止すべて』との声も挙がっている」と指摘。その上で、これまで同組合が組合員に要請していた「換気の徹底」「清掃消毒の徹底」「広告宣伝の自粛等の対策の確実な実行」に加えて、新たに来店客を並ばせない施策を求めたこととなる。