◆ビッグデータが示すトレンド
2019年12月15日にホールで高稼働を誇っていたパチスロメイン機種の『バジリスク〜甲賀忍法帖〜絆』『アナザーゴッドハーデス』が一部の府県を除き撤去となりました。
そこで今回は、12月1日から撤去までの設置シェア1%以上のパチスロ上位26機種の設置シェア推移から、どの機種に入れ替えたのかを見てみましょう。設置シェアは12月1日(日)から上記2機種が撤去された翌週の12月22日(日)までの各日曜日を基準に算出しております。
複数の新台が登場するも撤去台数を補いきれず
表①をご参照ください。12月1日(日)の時点では、『バジリスク絆』『ハーデス』の2機種の設置シェア合計は20円パチスロ全体(外税対応を含む)に対して7.46%ありましたが、12月22日(日)時点では2機種の設置シェアが1.68%と、6.90%のマイナスとなっております。
撤去2機種の代替えとして12月に発売された『Sエウレカセブン3』が設置シェア1.43%、『Sルパン三世イタリアの夢』が1.22%。既存機種では、『押忍!番長3』が0・87%増、『ミリオンゴッド‐神々の凱旋‐』が0.39%増、『Sパチスロ北斗の拳 天昇』が0.27%増となっており、今回の撤去に合わせた代替機種という位置づけだと考えられます。
ただ上記5機種で12月1日と比べて設置シェアは4.18%増にとどまっており、今回撤去の2機種の設置シェア5.92%を補えきれておらず、不足分は設置シェア1%未満の新台、既存機種で補っている状況です。
設置シェアは増えたが打込みは未だ振るわず
次に表②をご参照ください。12月29日時点での6号機の設置シェア上位10機種をまとめた表になります。1位は『北斗の拳 天昇』で設置シェアが4.13%、6号機の中では主力といった位置づけになっております。ただし、導入8週目で20円パチスロの平均打込を下回っている状況です。
一方、『SLOT魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』『Re:ゼロから始める異世界生活』は2%以上の設置ですが、打込は8,000枚前後と厳しい状況です。年明けには設置シェア上位3機種の中での入替もあるのではないでしょうか。
また、導入3週目ですが打込が好調な『エウレカ3』に関しては年明けの中古機の動きが活発になる事が予想されます。
2020年の市場を推察、トレンドは多機種少台数
最後に表③をご参照ください。6号機の新台は打込の低下速度が速く、2019年に発売された57機種(経過10週未満は除外)では、導入10週目の平均打込が6,200枚となっております。
現状では『北斗の拳 天昇』といった話題機種でも、設置シェア4%前後が限界であることから、今後は「多機種少台数」といったバラエティー部門のシェアが大きくなる事が予測されます。
まだまだ手探りの状況ですので、商圏内データ、全国データをもとに最適な機種構成にすることが打込を維持するうえで重要となると考えられます。
■著者プロフィール
中島基裕
ピーブレイングループ代表
1981年に福島県会津若松市で生まれ、20歳の時に首都圏の有力ホールに入社し、店舗運営のノウハウなどを学び26歳で退職。その後、ホール向けのコンサルティング会社を経て、2013年10月ピーブレインを設立。2019年4月1日付で、ピーブレイングループ代表に就任(現任)。
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