印象的だったのは辻課長に先立って挨拶したメーカー2団体の両トップ(日工組の井置理事長と日電協の里見理事長)が、昨年暮れに警察庁に陳情していたパチスロ5号機の解釈基準の見直しにそろって触れていたのに対し、これを受けて登壇した辻課長から一切言及されなかったこと。
とくに日電協の里見理事長は問題の疑われるパチスロ機を出さないため日電協の自主規制を強化する方針を表明。今回の陳情に対する行政側の理解につなげたい考えを示したが、辻課長は、04年7月に施行された改正規則に関する3年間の経過措置の期限切れに伴い、パチスロ4号機から5号機の入替が昨年7月から9月にかけて集中した点には触れていたものの、「大変な入替だったが、みごとに(4号機を)きれいに外してくれた」と述べるにとどめていた。ただ、悪化する業界の経済情勢については、「(業界の各団体が)それぞれに知恵を出し、新時代の運営のあり方を真剣に考えていることは理解している」と述べるなど、厳しい状況にあるとの認識は示していた。
一方、辻課長は昨年4月から開始された遊技産業健全化推進機構による不正根絶を目的とした店舗立入について、「具体的な成果が出ている」と高く評価。具体的な成果とは昨年11月に明るみに出た機構の通報に基づく初の摘発事案を指していたとみられるが、全日遊連の立入・巡回指導など各団体個別に実施している不正対策についても「その取り組みの成果も確認している」と一定の理解を示した。