今回の完全統合は、平和の創業者、平和の実質的な経営権に関する中島健吉氏(現ファウンダー名誉会長)からオリンピアの石原会長への “継承”が軸になっている。平和の筆頭株主である(株)中島ホールディングス(中島会長が取締役を務める平和の持ち株会社)が所有する3500万株(約460億円)を(株)石原ホールディングス(石原氏が社長を務めるオリンピアの持ち株会社)が引き受け、経営権が移行したのちに株式交換という手法で完全統合を目指す方針だ。統合後の平和株式の持ち株比率は石原ホールディングスと石原氏個人あわせて57%に達する見込みだ。株式交換比率は平和1に対してオリンピア4(オリンピアの普通株式1株に対して平和の普通株式4株が割当交付される)。
これに伴い統合後の平和の経営権は創業一族の中島家から石原氏および石原ホールディングスに完全に移行することになるが、中島会長の言葉を伝えた平和の堀江専務は、「今回の統合を見届ける形でその職(ファウンダー名誉会長)から外れるつもりだと(中島会長は)話している」と語った。
一方、オリンピアの石原会長は、「中島会長と中島潤相談役とお会いし、(平和の)経営をお願いしたいとの申し出を受けたときは、驚きのあまり数日間は夜も眠れず、お酒を飲んでもまったく酔うことができなかった。しかし相手はほかでもない平和創業者の中島会長。その後任を託された点について今では非常に名誉なことだと思っている」と心境を語った。
統合後のシナジー効果について平和の石橋社長は、「パチンコ機メーカーとパチスロ機メーカーの統合ということで最高のバランスだ」と強調。パチンコ機の開発を平和に、パチスロ機のそれをオリンピアに集約することによる生産効率の向上や、部材の共同調達、液晶等の共通化よるコスト削減効果を上げていた。
統合後の平和首脳の布陣は次の通り(予定)。
代表取締役社長 石橋保彦(現・平和代表取締役社長)
代表取締役副社長 嶺井勝也(現・オリンピア代表取締役社長)
代表取締役専務 堀江一義(現・平和代表取締役専務)
なお、統合後は、オリンピアは石原会長に経営権が移った平和の100%完全子会社となるが、統合後のオリンピアのトップ陣容は、6月に予定される同社の株主総会で正式に決まるスケジュールになっている。