【コラム】「小さな失敗」の積み重ねがAI活用の鍵

投稿日:2026年1月28日 更新日:

2026年のAI活用で問われるのは、知識よりも実践経験です。自店にとっての「正解」を見つけ出すには、現場での「小さな失敗」の積み重ねが不可欠です。試行錯誤こそが成功への近道となる理由を解説します。

2026年のAIについて、少し刺激的な結論から書いてみたいと思います。これからの時代は「AIを語れる人」よりも「AIに触れた時間が長い人」が優位に立ちます。そして、小さく失敗した経験こそが強みになります。これはAI活用にとって本質的な変化であると感じています。

従来、AIの話題といえば「ChatGPTを使用している」といった導入の有無や使用宣言が中心でした。しかし、2026年に向けて重要となるのは、どのAIを知っているかではありません。業務にどれだけ組み込み、使いながら判断してきたかというプロセスこそが重要なのです。

実際に使用し、違和感があれば修正し、不都合があれば元に戻す。この繰り返しのなかで「自店にとっての正解」を定めていくための道具です。ですから、一度の大きな成功よりも、積み重ねた小さな失敗の数がものを言います。

弊社の取組みを見ても、ホール企業様に提案する顔認証やチャットボットなど、AIの導入事例は増えてきました。ただ、運用を通じて痛感するのは、「導入したかどうか」ではなく、店舗の思惑をどこまでAIに反映できているかが成否を分けるという点です。

例えば、「常連客には強いが新規客が少ない」「信頼はあるが営業努力が伝わっていない」という風に課題を言語化できなければ、AIは機能しません。AIは万能ではなく、投げかけた問いの精度をそのまま返してくる存在だからです。

だからこそ、課題の解決に向け重要となるのが、実際に触って、使いながら決めた人です。AIを語れる人ではなく、AIと一緒に悩んだ時間が長い人。そして、うまくいかなかった経験を積み重ねた人(AIとともに悩んだ現場の方々)が、確実に有利になります。

具体的な事例をご紹介します。東北のあるホール企業では、現場スタッフから役員までを対象に「どのようなAIがあれば便利か」というヒアリングを実施しました。そこで挙がったのは壮大な未来像ではなく、「遊技台や配線のトラブルをその場で確認できるAIが欲しい」という極めて実務的な要望でした。

この事例は非常に示唆的です。例えば、分厚い自店マニュアルが存在するならば、それをGoogleドキュメント化し、『NotebookLM』に読み込ませてみてください。まずはそれだけでも構いません。完璧を目指さずに動かし、使いにくければ直すという行為自体が立派なAI活用です。

2026年のAI活用は、壮大な構想よりも、ブレイクダウンされた一歩から始まります。正解を探すのではなく、使いながら決める。そして、小さく失敗する。

そんな姿勢こそが、これからのAI時代を生き抜く最大の武器になるのではないでしょうか。

◆プロフィール
髙橋和輝
株式会社ピーメディアジャパン代表取締役。大前研一ビジネススクール出身。18歳から現場一筋で、ホール企業勤務を経て、コンサルタントとして独立。業界初のホール企業向けサブスクサービスを12年運営。現在はパチンコ特化型BtoBプラットフォームを展開(2024年取引額約6.5億円)し、ホール営業×AIを開発中。

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