マースエンジニアリングは9月17日、18日の2日間にわたり「2025マースWEBセミナー」を開催。「目まぐるしく変化を続ける市場を見極める」をテーマに、「MSDセミナー」「マースアカデミー」の2部構成で進行。講師は、営業企画販売促進グループ販売促進チームの山本貴大氏、椿原龍斗氏の2名が担当した。
「MSDセミナー」では同社独自の「PL指標」を用いて、パチンコ・パチスロ市場の動向や、機種のタイプ別分析などを解説。市場全体の動向としては、4円パチンコの業績が低迷する一方、20円パチスロの業績は安定しており、台数比率でみてもパチンコ減少・パチスロ増加と、パチスロ優位の環境は継続しているとした。
8月から登場したLT3.0プラスについて山本氏は、勝金額が大幅に伸びるも勝率は非常に低く、ファンが再遊技しにくい環境となっていると懸念を示し、「(導入によって)4円パチンコに与えた影響は限定的だった。1人あたりの遊技時間を示すPLアウトが伸びてこなければ、パチンコの抜本的な状況改善には至らない」と指摘。遊びやすい環境を残すという観点からも、ライトミドルや甘デジなど、射幸性重視ではないファンの受け皿として機能する機種の登場に期待を込めた。
パチスロにおいては、安定稼働を見せている一方で頭打ちの状況も指摘されはじめている。そんな中、BT機の登場で勝率が下がることなくノーマルタイプ全体の勝金額は上昇したことから、遊びやすく勝負できる環境がより顕著になったと説明。「BT機に入れ替えていくだけで、ノーマルタイプの全体稼働底上げに期待ができる状況が見えてきた。回遊状況を見ても、スマスロAT機からの回遊率も高く、ノーマルタイプとAT機の中間というBT機のコンセプト通りの立ち位置を確立し始めている。積極的に導入を進めていくのが良い」と述べた。
「マースアカデミー」では、スマート遊技機の普及に伴い、データの取得数や精度が増した会員情報の分析の重要性を解説。椿原氏は、店舗にとって会員分析が必要な最大の理由として売上の最大化に繋がる点を挙げ「売上を伸ばすためには客数を増やすことが必要不可欠。客数アップにつながる新規顧客の獲得、流出顧客の減少を図るために会員データを使わない手はない」と提唱した。
椿原氏は会員分析のポイントとして、来店管理と機種管理の2点について解説。来店管理についてはいかに自店の優良会員(ファン)を増やすことができるかが重要とし、1人でも多くの優良会員を獲得・育成するためのツールとして「エヴォール接客サポート」や「会員申し込みタブレット」をアピール。これらツールを活用して顧客をフォローしていくことを推奨した。
機種管理については、優良顧客が好む遊技機環境を構築するうえで重要な指標として、「メイン比率」「継続率」「オンリー遊技」「優良会員比率」の4点を挙げ、これらを随時把握し加味した入替戦略を行う必要性を訴えた。最後に「これら分析だけでは売上は上がらない。仮説ベースで構わないので、目標や改善内容を考え、スモールスタートで素早く実行することが大事。分析可能な会員データが増えている今だからこそ、会員分析にしっかり目を向け、有効活用し、売上の最大化を図ってもらいたい」とまとめた。
その他、セミナーでは全国的に導入が進むエヴォールセルフ交換機『EVO50』の導入事例紹介と、導入店の声(導入の狙い、導入メリット、導入アドバイス)なども披露された。
- 「MSDセミナー」を担当した山本貴大氏。
- 「マースアカデミー」を担当した椿原龍斗氏。