カジノオペレーターに免許を交付する「カジノ管理委員会」への定額納付金については、カジノ事業の規模等が確定していない現時点では算定困難と回答。カジノ粗収益(GGR:Gross Gaming Revenue)に占めるオペレーターの実効負担率が40%を超える可能性があるとの質問には、「シンガポールの水準(30.1%)は上回るものの、オーストラリアのビクトリア州の水準および米国の各州の平均水準は下回る水準になる」とした上で、適切だと回答している。
実効負担率は国やカジノ建設地の自治体に支払う納付金(国と自治体にGGRの15%、計30%)と前出の定額納付金、それと法人税と、ゲーミング収入以外の売上にかかる消費税等の合算をGGRで除算した比率。
日本人入場者の本人確認手段としてマイナンバーカード以外に運転免許証やパスポートを併用する考えはないかとの問いには、IR実施法案には「個人番号カードのみ」と規定されていると指摘。マイナンバーカード以外は認めない考えを示した。ただし日本国内に住居を有しない日本人についてはパスポートを認める方針。その上で、マイナンバーカードに限定した場合と、運転免許証やパスポートも可とした場合で、日本人入場者にどれだけ違いが生じてくるかとの質問については、「その試算はこれまで実施したこともなく、また今後も実施する考えはない」とぴしゃりと撥ねつけた。法案では依存症対策の実用から日本人の入場を週3回かつ月10までに制限している。
またカジノオペレーター免許をIR施設整備区画(カジノ建設地)の認定有効期間の10年に揃えるべきではないかとの質問には、区画認定の有効期間の長さにかかわらず、3年更新は適切だと回答している。
一方、柿沢議員は、ギャンブル依存症対策予算の確保の見地からカジノに限らず、競馬や競輪など業態別に売上高に応じた負担する法整備の必要性にも踏み込んでいたが、依存症対策の財政措置については議員立法として提出された「ギャンブル等依存症対策基本法案」にかかわるものであり、政府としては、国会での議論の推移を見守っていきたいと答えている。