昨年末のIR推進法(カジノ推進法)の成立を受け、政府は関係閣僚会議を設置。競馬や競輪など公営ギャンブルの弊害に指摘されるギャンブル依存症対策を検討するため所管省庁を集めていたが、パチンコ・パチスロを所管する警察庁も加えるなど、遊技依存もギャンブル依存の範疇とする明確な方針をすでに打ち出していた。
IR推進法はカジノを含む統合型リゾート(IR)の国内設置に向けた法整備を政府に促す法律。超党派議連「国際観光産業振興議員連盟」による議員立法によって昨年12月15日に成立、同26日に施行され、カジノ設置に向けた具体的な法整備(IR実施法の整備)は政府主導に切り替わった。推進法の規定により政府は同法施行から1年以内に実施法を整備することが求められている。
一方、推進法成立時に付帯決議されたギャンブル依存症対策の推進について政府は、カジノをはじめ既存ギャンブルやパチンコ・パチスロも含めた包括的対策を策定する方針を決定。遊技であるパチンコ・パチスロにもギャンブル依存症の弊害を認定した。また依存症対策のとりまとめを実施法の法案づくりに優先する考えも打ち出し、ことし夏までに制度の具体化を図りたい方針を掲げている。
関係閣僚会議では3月31日までにギャンブル等各分野の課題を指摘した「論点整理」を発表。パチンコ・パチスロでは自己申告に基づいて利用を制限する「自己申告プログラム」の適用を家族申告にも広げる運用の拡大や、過度な遊技を抑制する一段の出玉規制の必要性などが課題に指摘された。
報道によると今回の方針一致を受け自民、公明両与党は、依存症対策法案をすでに国会に提出している日本維新の会や、対策の検討を進めている民進党にも協力を呼びかけていく模様だ。