最優秀賞を受賞したのは関西学院大学4年(応募当時・以下同)の松村優さん。4月からダイナムで勤務している松村さんだが、同社の面接を受けるまではパチンコ・パチスロのノンユーザーで、業界に対する漠然とした不安を抱いていたという。
松村さんは表彰式で「その不安の原因は何なのか。また、何が周囲の人間からパチンコ店を遠ざけるのか、業界で働く上で成し遂げていくべき目標を明確にするため」と執筆に至った経緯を紹介。自身の遊技頻度を増やし、さらに周囲のヒアリングを行った結果、「パチンコは不正している」というネガティブなものが多く、さらにネットを含め周囲から伝わってくる誤った情報に引っ張られている面も多かった」と判明し、
「ユーザー人口の減少には景気だけでなく情報という側面も存在しているのではないかということを調査を通じ強く感じた。パチンコという遊技をひとりでも多くの人に正確に知ってもらうためには情報発信を大切にしたい」などとエッセイにまとめた。
この他、優秀賞を小西諒さん(近畿大学2年)、川崎貴大さん(奈良先端科学技術大学院修士課程1年)、園田恒さん(横浜国立大学3年)の3名が受賞した。
当日、審査副委員長を務めた斎木純一氏(フジサンケイビジネスアイ常務)は講評で、「業界の課題、現状をしっかりつかみ独自の視点、考察を加えて意見・提言を行う非常に素晴らしい作品が多かったと思う。特に最優秀賞は自らの実体験をベースに分かりやすく説得力のある内容だった」と受賞作を評価。
また、当日出席できなかった結城義晴審査委員長(商人舎社長)は「最優秀賞の、不安を取り除くという目的で情報開示を徹底的に行うという考え方には耳を傾けなければならない。ネット社会の影響力に触れたのも時宜を得たものだった。他の作品もパチンコというビジネスに社会的意義を認めるものばかりだった」と総括のコメントを寄せた。