ガイドラインはパチンコ・パチスロの依存リスクを広く社会に向けて発信する一次予防と、未然抑止を目的とする二次予防から組み立てられる。一次予防では全日遊連が全国加盟ホールに要請する形で、昨年10月から実施している新聞折込チラシへの「のめり込み防止標語」(帯スペース)掲出の継続や、テレビやラジオなどマスメディアへのCM展開などを明記した。
二次対策の未然抑止では、パチンコ依存電話相談機関であるリカバリーサポート・ネットワーク(RSN)の告知ポスターの店内貼付など、従来の取り組みの継続に加えて、新たに店内アナウンスによる呼びかけを盛り込んだ。
また本人からの申告に基づく「自己申告プログラム」の活用も提案。過度なのめり込み状態を自覚する顧客に対して使用上限金額に関する自己申告を求め、上限額を超えたケースには、次回来店時に会員カードの利用を制限する内容だ。
同プログラムの活用は会員カードと連動したCRユニットおよびカード式メダル貸機など既設システムでの対応が前提。新たな導入コストは発生しない。プログラム対応に協力するため設備機器メーカーで現在準備を進めており、近く導入できる見込みだ。
開会挨拶に立った全日遊連の阿部理事長は、5〜6月の業界団体の総会シーズンを念頭に、「業界各団体ともこれから総会を控えるが、その機会に是非ガイドラインの徹底を呼びかけてもらい、業界全体として足並みをそろえていきたい」と語った。
当日は警察庁生活安全局保安課から大門雅弘課長補佐も出席。のめり込み防止対策ガイドラインの周知徹底を要請するとともに、日工組が取り組む射幸性の抑制について触れ、少額で遊べ、止めどきのわかりやすい遊技機の創出が必要だと語った。
席上ではほかに21世紀会で3月12日に取り決めた「置き引き防止マニュアル」の概要説明や、撲滅宣言ポスターの店内掲示など闇スロ撲滅への協力も要請された。