重視していた条件面がなお不明〜全日遊連が回答

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 日工組が次世代パチンコとして開発の推進を表明している「ECO遊技機」に全日遊連が「同意できない」理由を明記した回答を9月24日、日工組に送付した。

 全日遊連は7月23日に開いた全国理事会で、日工組による2012年5月の説明開始から2年以上にわたり態度を保留していた「ECO遊技機」に関する同意条件を決議。日工組に提示していた。

 同意条件は、導入コストの低減を柱として不正機防止対策の認証通信セキュリティをめぐる公的検証の受検、認証通信情報の明示など7項目。これに対し日工組は9月11日に第1回目の回答を送付。全日遊連の求めに応じ、修正を加えた最終回答を9月17日までに送付していた。

 最終回答で日工組はECO遊技機に想定される共通枠を10万円以下、専用ユニット(ECOユニット)を15万円以下とする従来の説明を維持する一方、これまで難色を示していた現行CR機の改造対応に応じる姿勢に転換。ECOユニットへの切り替えが前提になるとしていた従来の説明を変更するとともに、改造費用の負担軽減にも取り組む方針を伝達した。

 また認証通信セキュリティの公的検証の受検についてもIPA(独立行政法人情報処理推進機構)の認定機関にセキュリティ評価を依頼、その結果を提示することも明記した。

 ただ認証通信情報の明示については、機器開発の進捗状況やシステムの運用体制、規則改正の検討状況やコストの見込み等、システム全般にかかわる事項とあわせて全日遊連が求める定期的な意見交換を継続。現状明確にできていない項目などを含めて意見交換の場で説明していくとの回答にとどめた。

 ECO遊技機及びECOシステムでは不正改造防止を強化するため、現行規則で認められない遊技機とユニットの双方向通信など規則改正が必要になる機能の搭載が検討されている。

 この最終回答に全日遊連執行部(理事長、副理事長=5名、専務理事)は、「遊技機及びシステムのコストダウンの可否」「現行遊技機を含めた遊技性の向上」「現行CRユニットの低価格での活用の可否」「ユニットを含めた通信方法の効率化の方法論や道筋」など、なお明らかになっていないとの理由から同意できない方針を決定。9月19日に開かれた全国理事会に諮った上で決議を取り付けていた。

 19日の理事会後の記者会見で全日遊連の阿部理事長は、ECO遊技機をめぐる協議継続の可否について、「そこは日工組しだい。現状この回答には同意できないということだ」と述べた。

 ECO遊技機は必要最少の遊技球を盤面内部で循環させる封入式構造が最大の特徴。玉補給装置は不要で、ホールにとって設備投資が軽減されるメリットがある。またメーカー間で異なっている枠を共通化し、従来同一ブランド間に限定されていたゲージ盤交換に全メーカーへの拡大を想定するなど、入替コストの低減も提案されていた。

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