今回のパーラー向けの銀行ATMのイメージは、コンビニエンスストアの設置されているATMに近く、のめり込み防止を強く求める全日遊連の指針に基づき、一枚の銀行カードにつき一日の利用上限金額を3万円までに制限、店舗をまたいで利用される場合も維持される。
また出金の可能範囲は普通預金残高に限定され、クレジットカードや消費者金融などのノンバンクカードはもとより銀行が提供するキャッシュローンや当座貸越の利用もできない。お客の入金利用は、できる金融機関とできない金融機関があり、通帳利用は金融機関にかかわらず今回はすべて見送られている。硬貨の取扱いも不可だ。
一方、銀行ATMを設置するパーラーは、閉店後に営業売上金をこのATMを利用して、自店の取引銀行の口座への入金が可能。取引銀行が売上入金に対応していない場合でも、ATMに入金された現金をトラスト社が管理、翌朝一番でトラスト社から取引銀行に振り込まれる仕組みだ。会見でトラスト社の竹村社長は、「ATMは銀行の店舗。だからATMに入った現金の管理責任はすべて銀行と当社が負う。パーラーの責任は一切ない」と強調した。
また、設置パーラーには月額7万円の設置基本料が掛かるが、お客が1回利用するごとに10円のキックバックが受けられるため、実質負担は利用が増えれば増えるほど軽減されることになる。ただ設置場所が風適法の営業エリア(店舗内)になるため、たとえATMの利用が目的であっても18歳未満の立入りを厳しく制限する管理義務がパーラー側には課される。ATM設置に関する一切の広告宣伝についても自粛が求められる方向で、これに違反した場合は、撤去を含めた厳しい対応がとられる模様だ。
フィールドテストの評価方法についてトラスト社は、店舗並びに利用者(お客)のアンケート調査や利用記録データ(氏名などの個人情報は除外)をもとに第三者機関を交える形で分析、その結果を踏まえ利用状況と今後の改善案を評価レポートにまとめる方針。竹村社長は、「この仕組みをパーラー業界に提供してもいいものかどうかその時点で結論を出したい。第三者機関についてはこれから選定していく」と語った。