警察庁生活環境課は6月15日、パーラーの駐車場に止めた車内に幼児・児童を放置し、死に至らしめる虐待事案の防止を目的とする協力要請を、日遊協、全日遊連、同友会、パチンコチェーンストア協会の業界4団体に通達した。この問題で業界が通達を受けるのは初めて。
今回の要請に至った経緯について警察庁では、昨年中に検挙した被害児童が死に至った全事件(41事件、被害児童42人)を調査、42人中5人までが車内放置の犠牲者で、さらにうち4名がパチンコ店の駐車場に置き去りにされたことが判明したためと報告している。
この4件の死亡事件は昨年3月の静岡県を皮切りに、4月の長野県と愛媛県、8月の福島県で確認されている。放置した親は当時いずれも20代で、実母3名と実父1名が検挙されている。
要請事項は、(1)児童連れで来店しようとする遊技客に対する駐車場の出入管理時などにおける呼び掛け、店内・駐車場でのポスター掲示、店内放送の実施等による車内放置の防止のための広報啓発、(2)駐車場の定期的な巡回による車内放置の早期発見、の2点。
警察庁は4団体への通達とは別に、都道府県警察に対しても同日中に通達を発出しており、さまざまな機会を通じてパチンコ業界への働き掛けを実施するとともに、こうした事案の発生防止に向けた取り組みを関係機関との連携を図りながら推進するよう指示したことを明らかにしている。