PTBは、コンプライアンス(法令遵守)やコーポレートガバナンス(企業統治)の状況をチェックし、客観性ある正当な評価を受けられる仕組みを構築することで、社会に根強いパーラーへの偏見の払拭に努めたい方針だ。一定レベルを満たしていない場合は、指導・勧告も実施する。調査は原則としてパーラーの申請が前提となる。
チェック項目は、コンプライアンス関係では、風営法、民法、商法、労働基準法、個人情報保護法、消防法、建築基準法、不正競争防止法、特許権その他知的財産権法、独占禁止法、景品表示法、証券取引法、廃棄物処理法、食品衛生法、職業安定法、人材派遣法その他関連法令。
コーポレートガバナンス関係では、経営者による内部統制の状況、社内規則の整備と運用状況、予算管理制度と運用状況、内部監査体制と運用状況、関係会社の管理体制、主要取引の管理体制(会計組織、購買管理体制、資金管理体制など)、PDCAサイクルの存在と有効性、財務状況の開示制度及び開示状況、クライシスマネジメント体制の有無及びその有効性、反社会的勢力への対応状況、トップの順法に対する宣言の有無、遊技機管理体制など、いずれも多岐にわたっており、今後1年をかけてこれらチェック項目に関する具体的な「監視基準」を策定した考えだ。
会見では、経営規模の大小を問わず、企業体質の強化を目指すパーラーへの積極的な活用を促したい考えが強調された。また、「ライバル企業が出資する監視機関には調査を依頼しづらいのではないか」との記者団の質問には、「PTBはあくまで独立性の高い機関。PTBの活動が軌道に乗った段階で4社はPTB社員の地位を退くことがすでに決まっている」(國廣正弁護士)と説明。不正機の具体的な監視方法については、「今後、遊技機に詳しい専門家に委託する可能性もある」(同)と報告した。その上で、「PTBはどこまでのパチンコパーラーの健全性を社会にアピールすることが目的。株式上場を支援することが直接の目的ではない。PTBの評価システムが結果として株式上場につながればいいという捉え方だ」(同)と述べた。
会見には監視委員会の横山和夫委員長(東京理科大大学院教授)、コンプライアンス部会の木下潮音部会長(弁護士)、コーポレートガバナンス部会の國廣正部会長(弁護士)並びに近江正幸副部会長(日本工業大学大学院技術経営研究科教授)の4名が出席した。