同社は昨年3月7日に設立した証券会社で、とくに中小・中堅企業に対する金融支援に力を注ぐ経営方針を掲げている。
今回、パーラー向けに提案する金融商品は、新規出店にかかる資金コストの抑制を目的とする金融商品と、既存店舗等の資産を流動化する2つの商品が柱になっている。
新規出店に際しては従来、土地や建物、その他必要資金を手当てするため、銀行融資(間接金融)、リース、それに自己資金を組み合わせる形で、高額なイニシャルコストが求められていたが、同社では、当該店舗が今後生み出すであろう利益(キャッシュフロー)を担保にこれを証券化し、投資家から資金を集める事業証券化を提案している。
この事業証券化は不動産などの資産を担保とする従来型の資金調達とは一線を画し、どこまでも将来的なキャッシュフローが担保とされるため、キャッシュフローが大きければ大きいほど多額の資金調達が可能になるのが最大の特長だ。
もう一つの既存店舗等の資産を流動化する仕組みは、土地や建物などの資産の「所有」についてはファンドに、「オペレーション」はパーラー側にという具合に、それぞれの位置づけを明確に切りわけ、ファンドに対しパーラー側が賃料を支払うビジネススキームを提示。資産の流動化によるオフバランス化により、財務改善が図れるとともに、戦略資金の調達も同時に図れる。建築、内装その他の発注は、パーラー側の従前の取引関係に配慮し、パーラー側の意向を尊重するなど、柔軟に対応したい考えだ。
同社エンターテイメント事業部の田中里和部長は、「パチンコパーラー専門に金融支援を実施しているところはまだまだ少ないのが現状。こうした情勢の中で、今回、我々が提案する資金調達に対する需要は決して小さくないものと考えている。一つひとつ実績を積み上げていきたい」と話している。