ネット景品システムへの撤去命令の正当性を認定

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 インターネットを活用した景品交換システムを導入していたパチンコパーラーに対し、県警がシステムの撤去命令を出したのは不当だとして、このシステムの開発業者が1億9000万円の損害賠償を求めて訴えを起こしていた裁判の判決が9月3日、福井地裁で言い渡され、原告の請求が棄却されたことがわかった。9月4日付福井新聞が報じた。

 この景品交換システムはインターネット上に存在する「ネット商品」をいわゆる「特殊景品」に位置づけるもの。遊技客はパチンコ・パチスロで獲得した玉やメダルをネット商品と交換可能な「情報」に交換。ネット商品との交換を希望しない場合は、景品買取所でその情報を売却できる仕組みになっていた。

 システムは2004年9月に福井県内のパチンコチェーン6店舗に納品され、福井県警による撤去命令は2ヶ月後の同年12月に出たが、福井市内の開発業者の訴えは翌05年4月に起こされた。今回の判決まで約3年半が費やされている。

 争点とされたのはこの情報をインプットしたICカードが有価証券にあたるかどうかという点。風営法ではパチンコ景品として現金または有価証券の提供を禁じているが、原告の開発業者は、「カードを有価証券と判断するのは法律の解釈を誤っている」(05年4月29日付福井新聞)などとして県警の出した撤去命令の不当性を主張していた。

 これに対し今回の判決では、「景品引換請求権が記された注文明細レシートは風営法上の有価証券にあたり、有価証券の提供を禁じる同法に違反する」(9/4福井新聞)と指摘。同システムで提供するICカードを風営法が禁じる有価証券と断じた上で、当時県警の出した撤去命令の正当性を認定した。また撤去命令そのものがシステムを設置したパーラー側に出たもので原告の開発業者への指導ではなかった点についても請求を棄却した判決理由に指摘している。

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