診療所開業による出店妨害を最高裁が認定

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 付近に診療所を作られ出店を妨害されたとして茨城県守谷市のパチンコパーラーが栃木県宇都宮市のパーラーと東京都世田谷区の医療法人を相手に約7億7000万円の損害賠償を求めた上告審判決が7月8日、最高裁で言い渡され、損害賠償請求を棄却した2審判決(東京高裁)を破棄、診療所の建設が出店妨害を目的とした不法行為だったと認定し、賠償額を算定させるため審理を東京高裁に差し戻したことがわかった。同日付で新聞各紙が報じた。

 この問題は、2001年5月、訴えを起こしたパーラーが守谷市の国道沿いに店を新規に出店したものの、前月4月に問題の診療所が開業したために開店を断念していたもの。茨城県条例では診療所の周囲100メートル以内についてパーラーの出店を禁ずる“制限地域”に規定している。

 報道によると宇都宮のパーラーの社長と診療所を経営する医療法人の代表者は親族関係にあり、また診療所の土地も宇都宮のパーラーから購入、さらに宇都宮のパーラーはこのエリア周辺に3店舗のパチンコ店を構えていたという。

 2審判決では、ライバル関係にあるパーラーの出店を阻む目的を知った上で医療法人側が協力していた点は認定しつつも、「公益性のある診療所の医師として診療に従事しているとして不法行為の成立は否定」(読売新聞夕刊)する判断が示されていた。

 出店妨害を認定した今回の判決理由について同紙では「他のパチンコ店の営業を妨害するために診療所を開設させたことは、許される自由競争の範囲を逸脱している」という藤田宇靖裁判長のコメントを掲載している。

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