ECO遊技機は必要最小数の玉を盤面内部で循環、遊技球の払出しを不要とする密閉構造が特徴。パーツリサイクルの促進や、共通部材の使用により、販売価格の引き下げを目指すとともに、玉を触れずに遊技できる特性を活かした操作性や、磁石ゴトなど寄せ付けないセキュリティの強化により、図柄合わせの枠を超えた、パチンコ伝統の遊技性の復活も期待されている。
ただ遊技球に磁石を寄せ付けない材質変更が伴うことや、遊技球の払出しが不要とされるなど、内部構造そのものが抜本的に変わるため、ECO遊技機の実現には現行規則の改正が求められる見通しだ。このため規則改正には実際に改正作業を行う行政当局(警察庁)の理解が求められるが、会見で全日遊連の西事務局長は、「ホール団体からの要望があれば規則改正を検討する用意はあるというのが警察庁の基本スタンス。したがって最終的にはホール5団体と日工組との連名による要望書の提出が必要になる」と指摘した。
こうした情勢下、日工組では全日遊連を筆頭とするホール5団体にECO遊技機の有用性に理解を求める働きかけに動き出している。しかし全日遊連では、販売価格に関する減額幅がまだ具体的に提示されていないことや、現行CRユニットからECO遊技機に対応する専用ユニット(ECOユニット)への切替えが提示されるなど、初期導入時の費用増大に懸念が残るとして、慎重な構えを崩していない。
会見では「協議の継続が(要望書提出までの)単なる日程消化にとられる可能性はないか」という記者団からの質問も出たが、「会議をいくら重ねたところでホール団体の了承が得られない限り要望書が提出されることはない」と西事務局長は強調した。
ただ「閉塞感が漂う現状打破に向け(ECO遊技機に対するホール側の)期待感が非常に強いのも事実」(西事務局長)であるため、阿部副理事長も「今年の上期ぐらいまでに詰めなければいけないだろうという認識は、お互いにあると思う」と述べ、需給双方の連名要望書の早期提出に一定の理解を示した。