依存症対策基本法案が来年の通常国会に先送り

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 IR実施法案に優先して自公両与党が成立をめざしていた「ギャンブル等依存症対策基本法案」の国会審議が来年1月に召集される通常国会(会期150日間)に先送りされることがわかった。11月16日毎日新聞web版が報じた。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の国内解禁を推進するIR推進法が昨年12月に成立。ギャンブル依存症対策の強化推進が付帯決議に明記された。これを受け政府は、競馬や競輪などの既存の公営ギャンブルを対象に包括的依存症対策を策定する方針を固め、カジノ解禁に向けた布石としてギャンブル依存の拡大阻止に取り組む姿勢を打ち出していた。また政府は「遊技」であるパチンコ・パチスロについてもこの枠組みの中に加えるとともに、IR運営をめぐる具体的制度設計を定めたIR実施法案の制定に先立って包括的依存症対策をまとめる方針を示していた。

 ギャンブル等依存症対策基本法案は、実施法案制定に先立つ対策強化の必要性を掲げた政府方針を受け、議員立法による法制化が望ましいとする自民党から提案されていた。その後自民党は連立を組む公明党にも呼びかけ、ことし4月中旬までに公明党から了解を取り付けると、6月までに法案を国会に共同提出していた。

 基本法案は秋の臨時国会で審議が進められる予定だったが、衆院総選挙で臨時国会が流れたために選挙後の特別国会(会期:11月1日〜12月9日)に舞台を移して審議されるかどうかが焦点になっていた。

 報道によるとカジノ解禁で自民党に接近する日本維新の会に公明党が警戒し、態度を硬化させたことが先送りの理由だったと指摘している。

 維新の馬場幹事長の拠点はカジノ誘致に積極的な大阪。馬場幹事長は11月初めに自民党の二階幹事長に基本法案の共同提出と早期成立を要請していたという。

 維新は昨年12月のIR推進法成立後、独自の対策法案を真っ先に策定するなど、カジノ解禁に向けた法整備に積極的な立場を鮮明にしていた。

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