「新しいぱちんこ遊技機」は業界をどう変える?

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業界の未来を占うテーマだけに熱い議論が交わされた。

 パチンコ・チェーンストア協会は2月19日、都内で臨時社員総会及び公開経営勉強会を開催した。

 公開経営勉強会は「新しいぱちんこ遊技機」がテーマ。第1部では日本遊技機工業組合の渡辺圭市技術担当理事が「新しいぱちんこ遊技機はどのようなものか?」をテーマに講演。

 渡辺氏は「今後ベースが高くなるのは間違いない」とした上で、ベースを上げる方策としてヘソ賞球数の増加を示唆。また、「時間的に手軽に遊びたいニーズをターゲットとした遊技機、2時間程度で設計値に近い出玉率に落ち着く遊技機を作らなくてはいけない。その際には顔(盤面)が現在の1種(セブン機)と同じでは違いが伝わらない。また、メーカーが協力しコーナーとして成立させることが必要だ」などと構想を述べたほか、「入替、稼動に貢献できる機械として1種(の供給)も必要だ」との認識を示した。

 また、第2部では渡辺氏に加え、日工組から山口孝穂技術委員会委員長、PCSAから大石明徳副代表理事、荒籾伸一理事、そしてエンタテインメントビジネス総合研究所の藤田宏社長が参加してパネルディスカッションを行った。

 この中では低貸玉専用機について、「低貸玉は使用金額の面でお客様に分かりやすく定着している。低貸玉専用として安価な遊技機を希望する」というPCSA側と、「機械的には1円だから安くできるというものではない。今後ベースが上がることで収益が厳しくなることを考えると、1円のお客様を4円に引き上げるにはどうすればいいか考えなければならない」という日工組側で若干意見が異なったが、

「減少したお客様を再び増やすため、ホールとメーカーが協力しなければならない」、「お客様目線で見て、価格設定(時間当たりいくら使えば遊べるのか)をはっきりさせ、その中で多様性を提供することが必要」などでは意見が一致。

 この中でも「2時間というのはひとつのキーワード」などとして、今後の高ベース化を、短時間で遊びやすいニーズの掘り起しに繋げることで、新しい顧客を生み出すチャンスにすべきという認識が示された。

 なお、公開経営勉強会に先立って行われた臨時社員総会では金本朝樹代表理事が、パチンコの社会的不適合機撤去やパチスロの5号機移行のタイミングで参加人口が大幅に減少した過去を振り返り、「いかにして遊技人口の減少を食い止めるかがこの業界の課題」などと挨拶。また、今回の撤去・回収にあたり「ホールの負担軽減のため、値引きやサポートプランについて早急にメーカーと話し合って出していきたい。ホールとメーカーが協力してこの大きな壁を乗り越え、PCSAが掲げるパチンコの大衆娯楽化へ向かっていきたいと強く感じている」などと話した。

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