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相続税対策に関する考察夫婦間で不動産を贈与2016年7年16日(土)

2.賃貸用物件の場合

 相続税対策に、賃貸用物件を購入・建築するという話を耳にすることもあると思う。確かに、不動産を賃貸用物件とするだけで、土地も建物も評価額は減額する。

 仮に、現金1億円を保有しているとした場合、保有したまま亡くなってしまい現金1億円が相続された場合と、1億円で賃貸用物件を取得してからなくなってしまった場合では、相続税の評価額は建物の場合30%減額、土地の場合約20%減額する。(土地に関しては、地域によって借地権割合が異なるため、減額の割合も異なる)。これは、新規に購入・建築しなくても、空き家を賃貸用物件にすることでも同様の効果を得られる。

 さらに上記居住用不動産と同様に小規模宅地の特例を使うことにより、200㎡まで50%評価減することが可能となっている。ただし、居住用不動産と賃貸用不動産の両方を相続する場合には、両方で限度面積が設けられているため、賃貸用不動産には評価減が使用できない場合が多い。

 また相続後に相続人の安定収入にもなるため検討する人が多いスキームである。現預金が多額にある、空き家・空き土地を所有している人にお勧めの方法ではあるが、所有の現預金をほぼ全て使用して賃貸物件を建築し、その後相続発生時の相続税の納付資金がなく不動産売却を余儀なくされるというケースも見られるので、留意したい。

3.マンションを購入する場合

 マンションを購入するだけでも、相続時の評価額は減少する。それは、マンションの土地の評価額の算定方法に起因する。マンションの場合は、マンション全体の面積で土地の評価額を算定するが、その後部屋数などに応じた割合をかけるため、評価額は非常に小さくなる。

 タワーマンションの場合は部屋数が多いため、さらに評価額が小さくなることが期待できる。時価の5分の1程度になることもあるため、多く活用されてきたスキームである。ただ、平成27年11月にタワーマンション節税について、国税庁が課税を強化するよう全国の国税局に指示した旨の報道があり、購入後に税制改正によりタワーマンションの評価額算定方法を変更することもあり得る。タワーマンションの購入に関しては慎重に行うべきかと思われる。

 このように不動産を所有・取得することによる節税効果は様々だが、相続直前に購入した不動産は、全く評価減されず、取得した金額のまま評価されるようなこともあるので、焦った相続対策はリスクがある。相続対策はできるだけ長期間をかけた方が望ましいと言える。


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